需給動向 海外 |
◆米 国◆
生産増も需要増から在庫量は減少
米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)が2017年12月22日に公表した「Cattle on Feed」によると、11月のフィードロット導入頭数は、肥育もと牛の飼養頭数の増加により、前年同月比13.9%増の209万9000頭となった。このうち、600ポンド(272キログラム)未満の肥育もと牛が、堅調な牛肉需要に加え、飼料穀物が安価なことから、フィードロットの若齢牛に対する導入意欲が高まったことにより、同29.8%増と大幅に増加した。
一方、フィードロットからの出荷頭数は、同3.2%増の184万4000頭となった。
この結果、12月1日時点のフィードロット飼養頭数は、同8.1%増の1151万6000頭と、2012年4月以降で最高となった(図1)。
USDA/NASSが2017年12月21日に公表した「Livestock Slaughter」によると、11月のと畜頭数は、前年同月比3.5%増の276万2000頭となった。特に、未経産牛は同13.2%増の81万5000頭と牛群再構築が進展し、保留される雌牛が減少したことから、かなり大きく増加した(図2)。また、1頭当たり平均枝肉重量は、同1.2%減の378キログラムとなった。この結果、牛肉生産量は、同2.2%増の103万9000トンとなった。
2018年の生産見込みについてUSDAは、フィードロット飼養頭数が増加していることなどにより、依然としてと畜頭数が前年を上回るとの予測から、前年比4.9%増の1251万5000トンと見込んでいる。
米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、2017年10月の牛肉輸出量は、前年同月比13.1%増の11万8000トンとなった。輸出先別に見ると、最大の輸出先である日本が同31.4%増の2万9000トン、韓国が同2.8%増の2万1000トン、メキシコが同16.8%増の1万7000トン、香港が同14.1%増の1万7000トン、カナダが同14.6%増の1万2000トンとなった。
また、2017年6月に解禁となった中国向けは722トンと、輸出停止(2003年12月)前の3カ年平均を30.3%上回った(図3)。
USDA/NASSが2017年12月22日に公表した「Cold Storage」によると、11月末時点の冷凍牛肉在庫量は、国内外からの堅調な需要により、前年同月比8.3%減の22万1000トンとなった(図4)。牛肉生産量は前年を上回って推移しているものの、冷凍在庫量は2017年2月以降前年を下回って推移している。
(調査情報部 渡邊 陽介)