需給動向 海外

◆米 国◆

低価格部位の価格下落により、輸出は大幅増


処理時生体重は前年を上回って推移

米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)が2017年12月26日に公表した「Poultry Slaughter」によると、11月のブロイラー処理羽数は、前年同月比2.1%増の7億2759万1000羽となった。

また、同月の1羽当たり平均処理時生体重は同1.0%増の2.8キログラムとなり、8月以降4カ月連続で前年同月を上回って推移している。USDAはこの要因について、昨夏は南部の気温が比較的冷涼に推移し、ブロイラーの増体が促進されたためとしている。

この結果、同月の鶏肉生産量は、同2.9%増の155万8000トンとなった(図10)。

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レッグクォータ卸売価格は下落

米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、鶏肉(丸どり)の卸売価格は2017年10月以降横ばい傾向で推移し、12月(速報値)は1ポンド当たり86.5米セント(1キログラム当たり217円:1米ドル=114円)となった。

一方、レッグクォータ(注)の卸売価格(速報値)は、9月以降下落傾向で推移しており、同月は前年同月比10.7%高の同35.50米セント(同89円)となった(図11)。

(注) ブロイラーを4分の1にカットしたもの。ドラムスティックと上ももに背肉の半分が付着したもの。

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10月の輸出量は前年同月比大幅増

USDA/ERSによると、2017年10月の鶏肉輸出量は、レッグクォータなどの低価格部位の価格が下落傾向で推移していることを受けて、2014年11月以降で最大となる29万1100トン(前年同月比15.2%増)となった(図12)。

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主要輸出先別にみると、最大の輸出先であるメキシコ向けは同12.0%増の5万2200トン、キューバ向けは同73.2%増の1万9900トン、台湾向けは同2.7倍の1万6500トンと、いずれも前年同月を大幅に上回った。

なお、2017年の輸出量について、USDAは前年比1.0%増の304万5000トンと見込んでいる。これは、米国での高病原性鳥インフルエンザの発生に伴う輸入国の輸入停止措置により落ち込んだ2015年を大幅に上回るものの、過去最高を記録した2013年を8.6%下回る水準である。

(調査情報部 野田 圭介)


				

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