需給動向 海外

◆EU◆

増産傾向が強まるも、チーズ需要などにより乳価は高水準


生乳出荷量は8カ月連続で前年超

欧州委員会によると、2017年10月の生乳出荷量(EU28カ国)は、前年同月比5.0%増の1259万2000トンと8カ月連続の増産となり、増加率もこの間で最大となった(図15)。また、10月の出荷量としては過去最大となった。

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要因として、天候不順により減産傾向にあったEU最大の出荷量を誇るドイツ(同4.9%増)と第2位のフランス(同5.2%増)が、8月以降回復し、増産傾向を強めていることが挙げられる(表5)。なお、2017年1〜10月まででは、EU全体で前年同期比1.1%増となっている。

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乳価は13カ月連続で前年超

欧州委員会によると、2017年11月の平均生乳取引価格(EU28カ国)は、13カ月連続で前年を上回り、前年同月比18.2%高の100キログラム当たり37.6ユーロ(1キログラム当たり51円:1ユーロ=136円)となった(図16)。同価格は、生乳出荷量が増産傾向にあるものの、EU域内外からのチーズ需要が高く、輸出も好調なことなどから、高値で推移している。

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好調なチーズ輸出

2017年1〜10月のチーズ輸出量(EU28カ国)は、前年同期比4.4%増の約70万トンとなった(表6)。

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最大の輸出先である米国向け(同0.3%減)がわずかに減少したものの、日本向け(同24.9%増)、スイス向け(同6.9%増)、韓国向け(同11.7%増)などの需要が高く、好調であった前年をさらに上回った。

欧州委員会は、EU域外からの旺盛な需要は今後も続くとし、2017通年でのチーズ生産量は前年比2.3%増、輸出量は同6.0%増を見込んでいる。

(調査情報部 玉井 明雄)


				

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