需給動向 国内

◆牛乳・乳製品◆

北海道の生乳生産量、3カ月連続で増加


平成29年11月の生乳生産量は、58万2586トン(前年同月比0.6%増)と前年同月を上回った(図3)。内訳を見ると、都府県が26万7501トン(同2.3%減)と21カ月連続で前年同月を下回ったものの、北海道が31万5085トン(同3.1%増)と3カ月連続で前年同月を上回った。

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生産の回復が進む北海道では、29年度産の牧草サイレージが本格的に給与されており、加えて品質も28年度産よりも良好とされていることから、主産地である帯広や中標津地区などを中心に生産量を押し上げている。一方、都府県では、東北が減少に転じたことに加え、関東での減少幅が前月に比べ拡大した。

用途別生乳処理量を仕向け先別に見ると、牛乳等向けは32万9761トン(同0.2%減)と前年同月並みとなった。一方、乳製品向けは年末の需要期に向けクリーム向けなどが増え、乳製品向けのうち、脱脂粉乳・バター等向けも同2.1%増となったことから、24万8692トン(同1.6%増)と前年同月をわずかに上回った(農林水産省「牛乳乳製品統計」)。

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28年度の牛乳生産費、飼料費はわずかに減少

農林水産省は、平成29年12月5日、「平成28年度牛乳生産費」を公表した。これによると、全国の搾乳牛1頭当たりの資本利子・地代全額算入生産費(「以下「全算入生産費」という)は、73万8314円(前年度比0.2%増)と前年度並みとなった。地域別に見ると、北海道は65万7362円(同3.2%増)とやや増加した一方、都府県は83万3972円(同2.2%減)とわずかに減少した。北海道の増加要因は、搾乳牛価格の上昇により乳牛償却費が同21.0%増と大幅に増加したことが要因として挙げられる。都府県は、北海道に比べて購入飼料の割合が高く、28年度はトウモロコシなどの海外相場の下落や為替が円高で推移したことから、飼料費が同2.5%減と低下したことが減少につながった。

30年度の加工原料乳生産者補給金単価などが決定

平成29年12月15日に開催された「食料・農業・農村政策審議会畜産部会」において、畜産物価格等の算定について諮問・答申が行われ、30年度畜産物価格等が決定した(表6)。これにより、加工原料乳生産者補給金の単価は、1キログラム当たり8.23円、30年度より新設された集送乳調整金の単価は同2.43円となり合計で10.66円と29年度から10銭引き上げとなった。一方、総交付対象数量は、前年度から10万トン減の340万トンとなった。

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(畜産需給部 山神 尭基)


				

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