需給動向 海外

◆EU◆

中国向け輸出の停滞もあり、豚価は3カ月連続前年割れ


生産量は5カ月ぶりに前年を上回る

欧州委員会によると、2017年10月の豚枝肉生産量(EU28カ国)は、前年同月比5.4%増の204万7000トンと5カ月ぶりに前年同月を上回った(図8)。

067a

この結果、1〜10月までの累計では、前年同期比0.8%減と減少幅がわずかに縮小した。加盟国別に見ると、ドイツやフランスは前年同期をわずかに下回った一方、スペインやポーランドではわずかに上回った(表3)。

067b

欧州委員会が2017年10月5日に公表した短期見通しによると、2017年通年の生産量は、前年比1.1%減と見込まれている。

中国向け輸出の停滞が続く

2017年1〜10月の豚肉輸出量(EU28カ国)は、前年同期比9.5%減の314万トンとなった(表4)。

068a

主要な輸出先である日本向け(同6.9%増)、韓国向け(同7.9%増)、フィリピン向け(同14.9%増)、米国向け(同30.6%増)などが増加したが、最大の輸出先である中国向け(同28.6%減)が前年を大きく下回った。中国では、増産による供給過剰から豚肉小売価格が前年から下落しており、中国の輸入業者の利益が圧迫されていることから、中国向けの輸出数量が伸びていない。

欧州委員会の短期見通しによると、2017年通年の輸出量は、前年比9.0%減と見込まれている。

豚価は3カ月連続で前年を下回る

欧州委員会によると、2017年11月の豚枝肉卸売価格(EU28カ国)は、前月から3.8%下落し、前年同月比3.9%安の100キログラム当たり145.65ユーロ(1万9808円:1ユーロ=136円)となった(図9)。

068b

季節的な下落に加え、輸出量が前年を下回っていることなどから、3カ月連続の前年割れとなった。

(調査情報部 佐藤 宏樹)


				

元のページに戻る