需給動向 国内

◆鶏 卵◆

5月の鶏卵相場、前月比14円安


平成30年5月の鶏卵卸売価格(東京、M玉)は、前月比14円安の1キログラム当たり165円(前年同月比51円安)と7カ月連続で前年同月を下回った(図11)。4月に成鶏更新・空舎延長事業が発動され、供給調整による鶏卵相場への好影響が期待されたが、産卵に適した時期であることから好調な生産が続いたこともあり、連休明けの7日以降、価格はさらに低下し相場の低迷が続いている。

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供給面では、4月のひな餌付け羽数が889万5千羽(同4.3%増)と4カ月連続で前年同月を上回っている中で、6月に入っても成鶏更新・空舎延長事業の発動による供給調整が行われている状況にある(図12)。一方、需要面では、例年、梅雨入り以降秋口にかけて家庭での消費が低迷する傾向にあり、今後もこのような需給状況や鶏卵相場の動向を注視していく必要がある。

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鶏卵価格差補てん事業、2カ月連続で発動

こうした中、(一社)日本養鶏協会は6月1日、鶏卵生産者経営安定対策事業(注1)のうち、鶏卵価格差補塡事業に係る5月の補塡額(注2について、その上限である1キログラム当たり19.800円と発表した。

この事業は、当該月の標準取引価格(規格卵(注3)における1キログラム当たりの加重平均価格)が補塡基準価格を下回った場合、補塡基準価格(185円)と安定基準価格(163円)との差額を上限として、その9割を生産者に補塡するものである。5月は標準取引価格(157.50円)が補塡基準価格を下回ったことから、前月に続き発動されることとなった。

例年4、5月は学校給食の再開やイベント需要が重なるため、安定した価格となることが多く、この時期に同事業が発動されるのは、平成25年以来5年ぶりとなる。

注1:鶏卵価格が低落した場合に価格差補塡を行う(鶏卵価格差補塡事業)とともに、更に低落した場合、成鶏の更新に当たって空舎期間を設けて需給改善を図る取り組みを支援(成鶏更新・空舎延長事業)し、採卵養鶏経営と、鶏卵価格の安定を図る事業。

 2:補塡額とは、標準取引価格と補塡基準価格の差額(補塡基準価格と安定基準価格との差額を上限とする)の9割のことをいう。

 3:規格卵とは、JA全農たまご株式会社の東日本営業本部および西日本営業本部において販売された、鶏卵規格取引要綱に定める箱詰鶏卵規格およびパック詰鶏卵規格に定める全種類の鶏卵のことをいう。

(畜産需給部 岩井 椿)


				

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