需給動向 国内

◆豚 肉◆

5月の豚枝肉省令価格、8カ月ぶりの600円台



平成30年4月の豚肉需給を見ると、生産量は7万5496トン(前年同月比4.5%増)と前年同月をやや上回った。輸入量は8万144トン(同4.3%増)と前年同月をやや上回った。推定出回り量は前年同月をやや上回る15万8559トン(同4.0%増)となり、このうち国産品は7万7128トン(同8.4%増)、輸入品は8万1431トン(同0.1%増)となった。その結果、推定期末在庫は前月から3008トン取り崩したものの、17万7966トン(同2.3%増)と18カ月連続で前年同月を上回った(農林水産省「食肉流通統計」、財務省「貿易統計」、農畜産業振興機構調べ)。

好調なテーブルミート需要で増加する冷蔵品輸入量

平成30年4月の豚肉輸入量は、8万144トン(前年同月比4.3%増)と4カ月ぶりに8万トン台となった。このうち、主にテーブルミートで消費される冷蔵品は、3万3786トン(同5.8%増)と前年同月をやや上回った。これは、豚肉の家計消費の金額および数量がいずれも14カ月連続で前年同月を上回るなど好調なテーブルミート需要も一因と考えられる(図4および図5)。国別に見ると、カナダ産は、輸出向けの設備投資などにより冷蔵品輸出を伸ばしていることに加え、日本国内で品質の良さを評価する声もあり、1万6392トン(同19.4%増)と大幅に増加した。

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主に加工業務用に仕向けられる冷凍品は、EU現地の供給増などを背景としたEU産の増加により4万6358トン(同3.2%増)と前年同月をやや上回った。

豚枝肉卸売価格、前月比135円高

豚枝肉卸売価格(省令価格)を見ると、国産品との競合関係にある冷蔵品輸入量の増加を背景に、2月中旬以降は軟調に推移していた(図6)。特に、3月は1キログラム当たり434円(前年同月比13.9%安)と平成26年1月以来となる同450円割れとなった。しかし、5月中旬以降、と畜頭数が減少していく時期となり、5月の平均価格は前月比135円高の同606円(同8.0%高)と大きく上昇し、8カ月ぶりに600円台に回復した。

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(畜産需給部 河村 侑紀)


				

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