2017年の牛肉輸出量、前年比4.0％増
中国向け輸出が拡大
ウルグアイ中央銀行によると、2017年の牛肉輸出量（製品重量ベース）は、冷蔵品が4万2159トン、冷凍品が26万2446トンとなり、合計で、前年比4.0%増の30万4605トンとなった（表5）。これは、2006年の30万9767トンに次いで、過去2番目に多い量である。
輸出先国別にみると、最大の輸出先である中国向けが、堅調な需要から前年比16.4%増となった。同国は低級・中級部位を中心に、さまざまな部位を輸入しているが、近年はロイン系といった高級部位の輸入も増えているという。また、オランダ向けも冷蔵品の伸びにより同7.3%増とかなりの程度増加した。一方カナダ向けは、同国における増産の影響で大幅に減少した。EU向けは、従価税20%のヒルトン枠（EU規則593/2013）と高級牛肉無税枠（同481/2012。QUOTA481）での輸出が大半を占めており、ヒルトン枠の消化率は、アルゼンチンが8割弱、ブラジルが9割強となっている中、ウルグアイは毎年98%以上を消化しており、順調な推移がうかがえる（表6）。
ウルグアイの輸出量は、中国や欧米諸国からの引き合いが堅調に推移し、年々増加しており、2017年には世界第10位の輸出量となり、国際市場での存在感を高めている。近年、中国系企業がウルグアイ国内の中規模パッカーを買収したほか、さらなる買収も進むとみられていることから、中国向けは、今後も好調に推移すると見込まれている。
2018年の輸出量は微減の見込み
USDA/FASによると、2018年のウルグアイの牛肉生産量は、乾燥による牧草状態の悪化により、生育が遅れ、と畜頭数の減少が見込まれていることから、前年比3.9%減の57万トン（枝肉重量ベース）と予測されている（図11）。中国からの引き合いは依然として強いものの、生産量の約7割が輸出に仕向けられており、生産量の減少が輸出に大きく影響を与えることから、輸出量は同3.4％減の42万トン（枝肉重量ベース）と見られている。
（調査情報部 佐藤 宏樹）