需給動向 海外

◆豪州◆

生乳生産量、前年同月比で増加が続く


2月の生乳生産量は、前年同月比3.5%増

デーリー・オーストラリア(DA)によると、2018年2月の生乳生産量は63万6800キロリットル(65万5900トン相当、前年同月比3.5%増)と9カ月連続で前年同月を上回った。2017/18年度(7月〜翌6月)の2月までの累計でも、666万8300キロリットル(686万8300トン相当、前年同期比3.5%増)と前年同期をやや上回った(図23)。

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2月の生乳生産量を地域別に見ると、酪農主産地のビクトリア州(39万900キロリットル(40万2600トン相当、前年同月比4.3%増))やタスマニア州(7万200キロリットル(7万2300トン相当、同3.1%増))などの豪州南東部は、前年度の乾燥した天候からの回復もあり、前年同月を上回る水準で推移している。

乳製品輸出量、チーズを除き増加

DAが発表した2018年2月の主要乳製品4品目の輸出量は、生乳生産が増加基調で推移していることなどから、チーズを除きいずれも増加となった。バターについては、国際価格が高値で推移し輸入相手先での引き合いが弱まっていたが、17ヵ月ぶりに前年同月を上回ることとなった(表11、図24)。

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2月の輸出量を輸出先別に見ると、脱脂粉乳は、中国やタイなどアジア向けが増加した。全粉乳は、スリランカ向けが減少したが、最大の輸出先である中国やアルジェリア向けが増加した。また、バターは、タイ、マレーシア向けは増加したが、シンガポールやインドネシア向けが減少した。チーズは、日本や中国向けが減少した一方、フィリピンやマレーシア向けが増加した。なお、輸出額については、品目により状況は異なるものの、国際市況がおおむね回復傾向にあることから、前年同月を上回って推移している。

乳製品国際価格(GDT)、前回比で脱脂粉乳は上昇、バターは横ばい

2018年5月1日に開催された、乳製品国際価格の指標とされるグローバルデーリートレード(GDT:フォンテラ社主催の電子オークション、月2回開催)の1トン当たり平均取引価格は、以下のとおりとなった(表12、図25)。

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脱脂粉乳およびチーズについては前回のオークション(4月17日開催)を上回る一方、全粉乳は下回り、バターは横ばいとなった。バターについては、世界的に需要が好調であることを反映し前回並みの1トン当たり5647米ドルと引き続き、同5000米ドルを上回る水準で推移する一方、脱脂粉乳については、前回比3.6%高の同1999米ドルと上昇したものの、EUの公的在庫が高水準にあることから、引き続き、同2000米ドルを下回る水準で推移している。

(調査情報部 石橋 隆)


				

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