需給動向 海外

◆米 国◆

2018年の生産量は過去最高の見込み


牛飼養頭数は4年連続で増加も、肉用繁殖後継牛は減少に転じる

米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)が2018年1月31日に公表した「Cattle」によると、1月1日時点の牛総飼養頭数は、前年比0.7%増の9439万9000頭と、4年連続で増加した(表1)。種類別に見ると、肉用繁殖雌牛(経産牛)は、同1.6%増の3172万3000頭と2010年以降で最高となった。一方、肉用繁殖後継牛は、国内外の堅調な牛肉需要により、肥育仕向けが増加したことから、同3.7%減の613万1000頭となった。

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フィードロット、導入は鈍化も飼養頭数は高水準

USDA/NASSが2018年1月26日に公表した「Cattle on Feed」によると、2017年12月のフィードロット導入頭数は、前年同月比0.8%増の179万9000頭となった(図1)。このうち、600ポンド(272キログラム)未満の肥育もと牛は、乾燥による草地状態の悪化などから南部地域で早期出荷が増えたことにより、同8.0%の47万頭とかなりの程度増加した。

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一方、フィードロットからの出荷頭数は、同1.4%減の175万2000頭となった。

この結果、2018年1月1日時点のフィードロット飼養頭数は、同8.3%増の1148万9000頭と、同時点としては2012年以来の高水準となった。

2018年の生産量は前年比6.1%増の見込み

USDA/NASSが2018年1月25日に公表した「Livestock Slaughter」によると、2017年12月のと畜頭数は、前年同月比1.2%減の258万頭となった。種類別に見ると、去勢牛は同5.5%減の130万3000頭となった一方、未経産牛は同6.2%増の74万7000頭となった。ただし、現地報道によると、と畜日が前年より少なかったため、1日当たりと畜頭数は前年同月を3.7%上回った。1頭当たり枝肉重量(連邦政府検査ベース)は、同0.1%増の380キログラムとなったものの、牛肉生産量は、と畜頭数の減少により、同1.2%減の97万4000トンとなった。

また、2017年の牛肉生産量は、牛群再構築の進展に伴うと畜頭数の増加により、前年比3.8%増の1187万3000トンとなった(図2)。

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なお、USDAは、2018年の牛肉生産量について、フィードロット飼養頭数が増加していることなどから、過去最高となる1259万2000トン(同6.1%増)と見込んでいる。

(調査情報部 渡邊 陽介)


				

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