需給動向 国内 |
鶏卵輸入量は、消費量の約5%で安定的に推移しており、そのうち保存性や輸送コストなどに優れる加工原料用の粉卵が約9割を占めている。
平成29年の輸入量(殻付き換算ベース)は、卵白の国際価格の上昇などを背景に減少した前年の反動から、11万1693トン(前年比22.1%増)と前年を大幅に上回った(図8)。
輸入量全体の75%を占める卵白粉は、ハムやソーセージのつなぎ原料などに使われており、8万2879トン(同36.7%増)と前年を大幅に上回った。主要な輸入先国は、オランダ(シェア26%)、イタリア(同22%)、米国(同14%)、インド(同12%)となっており、EU加盟国からの輸入が6割以上を占めた。
また、輸入量全体の25%を占める全卵粉、卵黄粉、冷凍液卵などは、主に製菓・製パン用などに使われており、国別で見ると、米国が6割以上を占めた。
鶏卵(殻付き卵)の輸出金額および輸出量の推移を見ると、23年は東日本大震災などの影響を受けて減少したものの、24年以降は増加傾向で推移している。
平成29年の輸出金額は10億2355万円(前年比19.9%増)、輸出量は3891トン(同19.9%増)といずれも前年を大幅に上回った。その結果、31年の輸出目標(26億円、1万トン相当)の達成率は、輸出金額および輸出量ともに39%となった(図9)。
なお、輸送距離や輸出先国の衛生条件などの制約から、輸出先は香港をはじめとするアジア向けが大半を占めている。
(畜産需給部 河村 侑紀)