需給動向 海外

◆中国◆

2017年の主な乳製品の輸入総額は過去最高


粉乳類の輸入も引き続き回復

2017年の主な乳製品の輸入額は過去最高となった。このうち、特に、最近変化の大きい品目は次の通りである(表13)。

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全粉乳と脱脂粉乳は、ピークであった2014年に比べると低い水準であるものの、それぞれ前年比44.3%増、同51.6%増となった。現地専門家は、2014年ごろの大量輸入による過剰在庫が2017年後半に解消されたことを要因として挙げている。輸入先を見ると、自由貿易協定により有利なニュージーランドが最も高いシェアを占めている。同協定により2018年に低関税で輸入できる数量(注)は、1月5日までにすべて消化された。これは2015年以来の早さである。

育児用粉乳(育粉)は同32.6%増となり、過去最高額であった。国内の育粉生産が横ばいであることとは対照的に、育粉輸入は堅調に伸びている。現地専門家によると、2017年の国内の育粉消費量は約90万トンであり、そのうち半分程度が輸入品、さらにその半分程度が個人輸入と考えられている。

ヨーグルトは同70.4%増と大幅に増加した。現地報道によると、近年国内のヨーグルト需要が高まっており、大手乳業各社は新製品を発売している。内陸部でも需要が拡大していると言われており、コールドチェーンの発達によってさらなる拡大が見込まれている。

(注) 粉乳類に適用される枠内関税率と枠(セーフガード発動基準数量)は毎年異なり、2018年はそれぞれ、0.8%、15万4745トンである。なお、最恵国税率は10%である。詳細は『畜産の情報2016年9月号』P94〜P95を参照されたい。

新たな育粉登録リストの公表は登録期限後も継続

育粉の安全性確保を進める中国では、「乳幼児用粉乳の配合登録管理弁法」(詳細は本誌2016年9月号P104〜106を参照)に基づき、国内製造品、輸入品ともに、育粉製品の配合を国家食品薬品監督管理総局に登録しなければならない。配合の登録は、1社当たり、3つの発育段階(0〜6カ月齢、6〜12カ月齢、12〜36カ月齢)向けごとに3種類ずつ、合計9種類が上限とされている。

2018年1月以降は登録した育粉しか販売できないとされていたものの、2018年に入ってからも、政府は新たな登録リストを公表し続けている。現地報道によると、政府関係者は2018年前半まで断続的に登録発表が続くと見ている。

2018年1月17日時点の登録件数は1026種類(うち海外産は210種類)であり、現在中国で販売されていると言われる2000種類以上(うち海外産は231種類)の半数程度と見られている。

(調査情報部 三原 亙)


				

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