需給動向 海外

◆米 国◆

2017年の豚肉生産量は過去最高


繁殖豚数の増加傾向が継続

米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)が2017年12月22日に公表した「Quarterly Hogs and Pigs」によると、12月1日時点の豚総飼養頭数は、国内外からの堅調な豚肉需要に伴い、歴史的にも高い収益をあげているパッカーからの肥育豚需要が堅調なことから、養豚農家の増頭意欲が高まっており、前年同月比2.4%増の7323万頭と過去最大規模となった(表4)。

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飼養頭数を種類別に見ると、繁殖豚が同1.1%増の617万9000頭となったほか、肥育豚も同2.5%増の6705万1000頭となり、いずれの重量カテゴリーも前年同月を上回った。

2017年9〜11月の分娩母豚頭数は、前年同期比2.1%増の310万9000頭、産子数は同3.2%増の3339万9000頭、1腹当たり産子数は同1.0%増の10.74頭と、いずれも前年同期を上回った。

12月の豚肉生産量も同月の記録を更新

USDA/NASSが2018年1月25日に公表した「Livestock Slaughter」によると、12月の豚と畜頭数は、前年同月比0.1%減の1046万1100頭であった(図4)。また、1頭当たり平均枝肉重量(連邦政府検査ベース)は、同1.4%増の97.1キログラムとなった。こうしたことから、同月の豚肉生産量は、同1.2%増の101万3800トンと、12月としては過去最高を記録した。また、2017年通年では前年比2.6%増の1160万3400トンとなり、過去最高となった。

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今後の生産量について、USDAは、2018 年第1四半期を前年同期比4.1%増の302万5000トン、2018年通年を前年比5.2%増の1221万3000トンと見込んでいる。

肥育豚価格は8カ月連続で前年同月を上回る

米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、2018年1月の肥育豚価格(速報値)は、100ポンド当たり49.75米ドル(1キログラム当たり121円:1米ドル=110円)と、前年同月を9.1%上回った(図5)。2017年秋にと畜施設が新設され、今後、稼働率のさらなる上昇が見込まれることから、肥育豚への需要が高まっているとみられる。

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また、同月の豚肉卸売価格(カットアウトバリュー(注))は、同0.8%安の80.00米ドル(同194円、速報値)となり、2017年6月以降7カ月連続で前年を上回っていたものの、一段落した。

(注)各部分肉の卸売価格を1頭分の枝肉に再構成した卸売指標価格。

2018年の豚肉輸出量は前年をやや上回る見込み

USDA/ERSによると、2017年11月の豚肉輸出量は、前年同月比5.0%増の24万2900トンとなった。主要輸出先別に見ると、第1位のメキシコ向けと第4位のカナダ向けは、それぞれ7万3400トン(前年同月比4.2%減)、2万800トン(同6.2%減)と前年を下回った。一方、第2位の日本向けと第3位の韓国向けは、それぞれ5万4700トン(同3.6%増)、2万4200トン(同34.6%増)と前年を上回った。

USDAは今後の輸出量について、2017年第4四半期を69万6000トン(前年同期比5.4%増)、2018年通年については267万6000トン(前年比4.9%増)と見込んでいる(図6)。

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(調査情報部 鈴木 浩幸)


				

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