需給動向 海外 |
◆米 国◆
干ばつによりフィードロット導入を前倒し
米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)が2018年3月23日に公表した「Cattle on Feed」によると、2018年2月のフィードロット導入頭数は181万7000頭となり、前年同月を7.3%上回った。南部で干ばつが発生し、放牧用秋まき小麦畑の生育状況が悪化していることから、フィードロット導入が前倒しされているとみられる。
このため、3月1日現在のフィードロット飼養頭数は前年同月比8.8%増の1171万5000頭となり、同日時点としては2007年以降最多となった(図1)。
米国農務省経済調査局(USDA/ERS)が2018年3月8日に公表した「Livestock and Meat International Trade Data」によると、1月の生体牛輸入頭数は前年同月を13.7%下回る11万4276頭であった(図2)。輸入先国別にみると、主に肥育もと牛の輸入先であるメキシコは7万1536頭(前年同月比17.8%減)、主にと畜向けの生体牛の輸入先であるカナダは4万2740頭(同5.8%減)であった。
輸入減少の要因については、米国内飼養頭数が増加し、輸入生体牛への需要が落ち着いたことに加え、上述の干ばつの影響により、フィードロット向けの肥育もと牛の輸入の減少があるとみられる。
USDA/ERSによると、2018年1月の牛肉輸出量は、前年同月を15.3%上回る11万529トンとなった。輸出先国別にみると、FTAを締結して関税率が21.3%と低水準の韓国向けが2万トン超と、日本の水準に近づいている他、香港、台湾、中国向けなどアジア向けの輸出が堅調であった(表1)。
また、同月の牛肉輸入量は11万2321トンとなり、前年同月を8.6%上回った。主要輸入先別にみると、肉用牛生産が好調なカナダやNZが前年同月を大幅に上回った一方、メキシコは前年同月を大幅に下回った。また、牛肉生産量が回復途上にある豪州は前年同月を0.5%下回った。
(調査情報部 野田 圭介)