需給動向 海外

◆中国◆

牛乳乳製品の輸入はすべての品目で増加


2018年1〜2月の牛乳乳製品の輸入量を見ると、すべての品目で前年同期に比べて増加した(表14)。

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全粉乳と脱脂粉乳は、それぞれ前年同期比15.2%増、同21.7%増となった。輸入粉乳は、国産生乳に比べて割安であることから、乳業メーカーが好んで使っているとみられている。

飲用乳は同50.4%増となった。輸入先国を見ると、ニュージーランドのシェアがドイツを上回っている。元々、ドイツのシェアが最も高かったが、他国からの輸入量が増加しており、同国のシェアは近年は低下傾向にある(表15)。

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育児用粉乳(育粉)は同30.9%増となった。「二人っ子政策」が始まった2016年以降、2年連続で高い出生率を維持しているため、当分、増加傾向が続くものとみられている。

ヨーグルトは同95.3%と、全品目の中で最も増加した。輸入先国は、ドイツが9割を占めている。中国乳業協会によると、国内のヨーグルトの年間販売額は、2010年の330億元(5683億円、1元=17.22円)から、2016年に約1000億元(1兆7220億円)に達し、2020年には1900億元(3兆2718億円)程度まで増加すると見込んでいる。

中国では、飲用のヨーグルト、果実入りのヨーグルトなど、幅広い層をターゲットにして販路を拡大しており、今後も消費が伸びていくものとみられている。

新たな育粉登録リストの公表が継続

育粉の安全性確保を進める中国では、「乳幼児用粉乳の配合登録管理弁法」(詳細は本誌2016年9月号P104~106を参照)に基づき、国内製造品や輸入品ともに、国家食品薬品監督管理総局に育粉製品の配合を登録しなければならない。配合の登録は、1社当たり、3つの発育段階(0〜6カ月齢、6〜12カ月齢、12〜36カ月齢)向けごとに3種類ずつ、合計9種類が上限とされている。

2018年1月からは、登録された商品しか売ることができないとされているが、政府関係者によると、2017年内に申請された配合の登録がまだ終わっておらず、登録作業は当分続くとのことである。このため、暫定的に、2017年内に製造された育粉の販売が認められているとみられている。

2月23日時点で、148社(うち海外企業は46社)が1138種類(うち海外産は265種類)の登録を得ている。登録が義務化される以前には、2000種類以上の配合が売られていたとみられている。国家食品監督管理総局によると、12〜36カ月齢向けの育粉を登録しているのは、ほとんどが国内企業である。

なお、いわゆるハンドキャリー(海外から手荷物として持ち込まれるもの)などは本法の規制対象ではない。

(調査情報部 三原 亙)


				

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