需給動向 国内

◆牛乳・乳製品◆

北海道、主要生産地域で増産傾向が続く


平成30年2月の生乳生産量は、56万9067トン(前年同月比0.5%増)と前年同月をわずかに上回った(図8)。内訳を見ると、都府県が26万3104トン(同2.3%減)と24カ月連続で前年同月を下回ったものの、北海道が30万5963トン(同2.9%増)と6カ月連続で前年同月を上回った。

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生産量が増加傾向にある北海道では、道東地域のうち主産地である帯広地区が同4.3%増と伸びが目立っており、その他では道央地域のうち規模拡大が進む倶知安も同4.4%増となった。

一方、都府県では、1月に続き寒波の影響で気温が低下したことなどを受け、メガファームでの増産が進む中国地方を除き前年同月を下回った。中でも関東では、同4.0%減と先月からさらに減少した。

用途別生乳処理量を仕向け先別に見ると、牛乳等向けは30万3484トン(同0.8%減)と前年同月を下回った一方、乳製品向けは牛乳等向けが減少したことから、26万1644トン(同2.0%増)と前年同月を上回った。乳製品向けのうち、脱脂粉乳・バター等向けは、同4.8%増となった。(農林水産省「牛乳乳製品統計」)。

2月のバター生産量、4カ月ぶりに増加

平成30年2月の乳製品の生産量については、脱脂粉乳・バター等向け生乳供給量の増加を受けバターは5029トン(前年同月比3.0%増)と4カ月ぶりに増加し、脱脂粉乳も9667トン(同2.6%増)とともに前年同月を上回った。バターは、生乳生産量が回復し、関東などを中心とした寒波による牛乳消費量の減少により、北海道から都府県への生乳移出量が前月から減少したことから、脱脂粉乳・バター等向け生乳供給量が増加したことによるものとみられる。

また、同月のバターの民間在庫量は、2万2926トン(同9.4%減)と減少したものの、過去5カ年平均を9.0%上回る水準となった。また、脱脂粉乳の民間在庫量は、輸入の増加により6万4282トン(前年同月比36.0%増)と大幅な増加となった。主要乳製品の大口需要者価格は、民間在庫量は高い水準にあるものの、需要者の根強い国産志向を背景にバターが1キログラム当たり1374円(同1.7%高)、脱脂粉乳は25キログラム当たり1万7985円(同2.6%高)となった。特に脱脂粉乳については、はっ酵乳やアイスクリームなどの原料として需要が堅調なことから、3カ月連続で価格が上昇している。

2月の粉乳調製品輸入量、前年同月比30%増

2月の粉乳調製品などの輸入量は、脱脂粉乳の大口需要者価格が上昇する中、国内ではコーヒー飲料、製菓やアイスクリーム向け需要の高まりに加え、粉乳調製品の現地価格の下落や円高の進行などの影響もあり前年同月比30.3%増と大幅に増加した(表)。粉乳調製品と同様に乳成分を30%未満含む調製食料品も同4.7%増となった。また、2月までの累計では、粉乳調製品が前年同期比17.7%増と大幅に増加し、調製食料品も同0.4%増とともに上回った。

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増加の要因として、EUでの脱脂粉乳在庫が高い水準で推移しており、世界的に脱脂粉乳価格を含め、粉乳類価格が弱含み傾向にある中、国内では大手飲料メーカーによるコーヒー飲料の新商品の投入や、乳業メーカーによるはっ酵乳や乳飲料、スイーツ・デザート向けの原料としての引き合いがあるためとみられる。

(畜産需給部 山神尭基)


				

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