需給動向 海外 |
◆中 国◆
国内の鶏肉小売価格は回復し、日本への鶏肉調製品輸出は堅調に推移
中国農業農村部によると、鶏肉価格は、2017年の前半に低下したが、6月以降は回復し、12月に前年を上回り、その後、2018年に入ってからは前年を上回る水準で推移している(図11)。
現地専門家によると、2017年の価格の下落は、消費量の減少によるものと見られており、実際、1人当たり鶏肉消費量は、前年比1.4%減の13.6キログラムであった。
この消費量低下は、国内での鳥インフルエンザの発生により、鳥インフルエンザを恐れた消費者が鶏肉を敬遠したことに加え、伝統的な生体での販売が禁止されたことが影響しているとみられている。
中国では、市場で生体の鶏を買い、自宅で処理して食べることを好む習慣がある。2016年12月以降、国内でヒトへの鳥インフルエンザ(H7N9型)の感染が多数報告されたことを受け、政府はヒトと家きんの接触を減らすため、生体家きん市場を相次いで閉鎖するとともに、一部地域では生体の輸送も禁止した。生体で販売できなくなった鶏は、丸鶏として小売店に供給された。
農業農村部によると、2017年の生産量は前年比0.5%増の1889万トンであった。2018年は鶏肉小売価格の回復によって増加幅が拡大し、同1.0%増の1908万トンとなると見込まれている。
鶏肉調製品の日本への輸出量の推移を見ると、2017年の2月と2018年の3月を除き、前年同月を上回って推移しており、堅調に増加している(図12)。
(調査情報部 三原 亙)