需給動向 国内

◆牛乳・乳製品◆

平成29年度の牛乳・乳製品の自給率、前年度から2ポイント減の60%


平成30年7月の生乳生産量は、61万6474トン(前年同月比1.0%増)と10カ月連続で前年同月を上回った(図6)。

014a

地域別に見ると、北海道が34万4854トン(同4.1%増)と11カ月連続で前年同月を上回った一方、都府県では離農などによる減産傾向が続いており、27万1620トン(同2.6%減)と29カ月連続で前年同月を下回った。

生乳生産量の過半を占める北海道では、6月中旬以降の長雨の影響による牧草収穫の遅れに伴い、秋以降の生乳生産量の減少が懸念されているものの、主産地では帯広地区が前年同月比4.8%増、北見地区が同2.2%増、中標津地区が同1.3%増といずれも前年同月を上回った。

用途別処理量を見ると、牛乳等向けはゴールデンウイーク明け以降の好調な牛乳消費などを背景に35万310トン(同1.2%増)と3カ月連続で増加し、乳製品向けも26万1991トン(同0.8%増)と前年同月を上回った。このうち、脱脂粉乳・バター等向けは前年同月比3.7%増となった(農林水産省「牛乳乳製品統計」、ホクレン農業協同組合連合会「平成30年度 生乳受託乳量速報値」、農畜産業振興機構「交付対象事業者別の販売生乳数量等」)

牛乳・乳製品の国民1人・1年当たり供給純食料、前年度比2.4%増

平成29年度の牛乳・乳製品の自給率(生乳換算ベース)は、国内生産量が729万1000トン(前年度比0.7%減)、輸入量が500万トン(同9.8%増)、国内消費仕向量が1216万6000トン(同2.2%増)となった結果、前年度を2ポイント下回る60%と過去最低を更新した(図7)。

015a

牛乳・乳製品の自給率が漸減傾向で推移している背景に、国内の生乳生産量が減少する中、好調な消費が続くチーズの輸入量が増加していることが挙げられる。29年度のチーズの輸入量は、家飲みや外食需要の増加などを背景に過去最高を更新し、輸入乳製品の約7割を占めた。

29年度の自給率の内訳を見ると、生鮮品である飲用向けが前年度に続き100%となった一方、乳製品向けは2ポイント減の40%となった。これは、チーズの輸入量増加のほか、国家貿易によるバターや脱脂粉乳の追加輸入などが影響したものとみられる。

また、牛乳・乳製品の国民1人・1年当たり供給純食料は、生乳換算で前年度より2.2キログラム増加し、93.5キログラム(同2.4%増)となった。

なお、飼料自給率を考慮した牛乳・乳製品自給率は、純国内産粗飼料自給率が前年度から1ポイント低下したことを受け、1ポイント減の26%となった。

(畜産需給部 二又 志保)


				

元のページに戻る