需給動向 国内 |
平成30年7月の豚肉需給を見ると、生産量は6万8709トン(前年同月比3.7%増)と前年同月をやや上回った。輸入量は7万8084トン(同4.9%増)と前年同月をやや上回った。輸入量のうちテーブルミートとして消費されることの多い冷蔵品は、底堅い需要を背景に3万2462トン(同7.6%増)と前年同月をかなりの程度上回った。また、主に加工業務用として使用される冷凍品は前年同月をやや上回る4万5622トン(同3.0%増)となった。推定出回り量は前年同月をわずかに上回る14万9228トン(同2.4%増)となり、推定期末在庫は前月から2484トン取り崩し、17万6037トンと前年同月並みとなった(農林水産省「食肉流通統計」、財務省「貿易統計」、農畜産業振興機構調べ)。
平成29年度の豚肉自給率(枝肉換算ベース)は、国内生産量が127万2000トン(前年度比0.4%減)、輸入量が135万7000トン(同5.2%増)、国内消費仕向量が262万1000トン(同2.7%増)となった結果、前年度より1ポイント下がり49%となった(図2)。
昭和40年度に100%であった豚肉の自給率は、46年度の輸入自由化に伴い、増減を繰り返しながらも徐々に低下傾向で推移し、平成11年度以降50%台で推移していた。国内生産量は近年おおむね横ばいで推移しているものの、29年度は好調な豚肉需要や国産品からの代替需要などにより、輸入量が増加したことから、過去最低となる49%(前年度比1ポイント減)となった。
なお、消費量を表す国民1人・1年当たりの供給純食料(精肉換算ベース)は、好調な需要を背景に前年度よりも0.4キログラム多い12.8キログラム(同2.8%増)と過去最高となった(図3)。また、飼料自給率を考慮した豚肉自給率は、鶏と同様に輸入飼料依存度が高いため1桁台で推移しており、29年度は前年度から1ポイント低い6%となった。これは、飼料自給率が26%と前年度から1ポイント低下したことによるものとみられる。
(畜産需給部 河村 侑紀)