95年は、 対前年比1.4%増
95年のEU (15カ国) の生乳生産量 (乳業メーカーへの出荷ベース) は、 対前年 比1. 4%増の約1億1千3百万トン (暫定値、 以下同じ) となった。 国別では、 スウェーデン、 イギリス、 フィンランドで減産となったほかは、 12カ国すべてで 前年を上回った。 その中でも、 特に高い増加率を示したのは、 ルクセンブルクの 4.3% (約11万トン) 増、 ポルトガルの4.2% (約34万トン) 増、 ドイツの3.6% (約94万トン) 増であった。 また、 前年との変化が著しかったのは、 イギリスで、 前年の生産量1.8%増から、 95年には夏の熱波の影響を受けたため、 逆に1.8% (約25万5千トン) の減産となった。 なお、 新加盟3カ国についてみると、 スウ ェーデン、 フィンランドが減産となったのに対して、 オーストリアでは、 一頭当 たりの泌乳量が増加したことにより、 3.4% (約7万4千トン) 増加したことが 注目される。 なお、 EU全体での生産量が増加した原因としては、 乳製品の国際市況の上昇を 反映して、 乳製品の域内価格が好調であったことに加えて、 一部地域を除き、 全 般的に粗飼料供給が順調であったことが挙げられる。 生乳生産量 (1月〜12月) (単位:千トン) ─────────────────────── 国 名 94年 95年 95/94(%) ─────────────────────── ベルギー 2,948 2,981 +1.1 デンマーク 4,442 447 +0.8 ドイツ 26,047 26,983 +3.6 ギリシャ 584 591 +1.3 スペイン 4,926 5,000 +1.5 フランス 23,216 23,320 +0.5 アイルランド 5,278 5,305 +0.5 イタリア 9,480 9,662 +1.9 ルクセンブルク 251 262 +4.3 オランダ 10,468 10,815 +3.3 ポルトガル 1,476 1,510 +4.2 イギリス 14,323 14,068 -1.8 オーストリア 2,206 2,280 +3.4 フィンランド 2,386 2,380 -0.2 スウェーデン 3,357 3,240 -3.4 EU15カ国 111,388 112,900 +1.4 ────────────────────── 資料:ZMP 注:暫定値クオータ超過の可能性
次に、 国別生産動向と生乳クオータ (クオータ年度:4月→3月) の消化状況 との関係については、 同年度の4分の3を過ぎた95年12月現在では、 オランダ、 ドイツ、 アイルランドでその標準的消化ペースを大きく上回っている。 これらの 国では、 1月以降、 生産量の調整に動く余地があるが、 関係者の間では、 この3 カ国が最終的にクオータを超過し、 超過課徴金 (注) (スーパーレビー) を課せ られる可能性が高いと示唆している。 なお、 これが現実となった場合には、 オラ ンダ、 アイルランドは、 2年連続でクオータを超過することになる。 (注):超過課徴金:指標価格の115%に設定。 95年度は、 30. 98ECU/100kg×115%=35. 63ECU/100kg (48円/kg)
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