NZの牛乳・乳製品の需給動向


◇絵でみる需給動向◇

○95/96年度の生産状況と見通し



 ニュージーランド農業省が95/96年度の生乳・乳製品の状況と見通しを発表し

た。 以下、 それについて紹介する。 



 

生乳生産量は前年並みで推移

 95/96年度 (95年6月〜5月) の生乳生産量は、 12月までの7カ月間で前年同 期を2. 1%上回る56億8千万リットル (加工向け生乳のみ) となった。  95/96年度の生乳生産量は、 前年度を3%上回り、 乳固形分換算ベースでは75 万5千トン。 乳脂肪換算ベースでは、 43万4千トンになると見込まれている。 こ の理由として同省では、 生産シーズン開始当初 (9月) は降雨量が多く、 牧草の 生育が遅れたことで生産が若干前年を下回ったものの、 その後の天候が良好であ ったこと、 今後も例年並みの天候が予想されることを挙げている。  生乳生産量の推移(95/96年度)      (百万リットル) ──────────────────────────────────────────  項 目  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月  合 計 ──────────────────────────────────────────  数 量 12 39 506 1,093 1,412 1,362 1,256 5.680  前年比 +26.1 +7.4 -1.3 -1.8 +3.0 +1.8 +6.6 +2.1 ──────────────────────────────────────────  資料:ニュージーランド・デイリィボード(NZDB)    注:生乳換算ベース

チーズと全粉乳の生産量が増加

 また、 乳製品の生産量は、 チーズ及び全粉乳で輸出需要が伸びていることから 前年度を上回ると見込まれており、 生乳生産量の増加分もこの2品目の生産に向 けられると見込まれている。 一方、 バター及び脱脂粉乳については、 チーズ及び 全粉乳に生産がシフトすることの影響を受けて、 生産が抑制されるとみられる。

乳価が上昇し、 農家収入も増加

 ニュージーランドの乳価は、 ニュージーランド・デイリー・ボード (NZDB) が 年度末に決定する基本乳価に、 各乳業メーカーがそれぞれの企業実績などに応じ た上乗せ分を加えて決められる。 95/96年度は、 NZDB基本乳価が前年度を15%上 回る3. 45ドル (乳固形分1kg当たり、 ニュージーランド・ドル、 以下同じ)、 メ ーカーの上乗せ分を含めると、 前年度を10%〜14%上回る3.75ドルになると見込 まれている。  また、 乳価の上昇及び生乳生産量の増加により、 95/96年度の農家の粗収益は、 前年度を6%〜12%上回る19万ドル〜20万ドル (約1千4百万円)、 また、 純利 益は14. 4%〜18. 3%上回る5万9千ドル〜6万1千ドル (約441万円) と見込 まれている。
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