米国の牛乳・乳製品の需給動向


◇絵でみる需給動向◇

○95年の主要乳製品の生産動向



バターは前年比3%減

 95年のバター生産量は、 前年を3%下回る56万9千トンとなり、 93年から3年 連続で前年比減少となった。 四半期別にみると、 第1四半期から第2四半期にか けては、 ほぼ前年同期並みか、 これを上回る動きをみせたものの、 第3四半期以 降は前年同期を大きく下回った。 これは、 昨年の夏以降、 生乳生産量の対前年伸 び率が頭打ちとなり、 加工原料乳の供給量が伸び悩む中で、 原料乳がチーズ生産 に流れたためとみられている。

脱脂粉乳は前年比2%減

 脱脂粉乳の生産量は、 93年から2年連続で大幅な伸びを示していたが、 95年に は前年を2%下回り、 54万1千トンとなった。 第1四半期には、 前年同期比13% 増を記録したものの、 第2四半期以降は、 一転してほぼ前年割れとなった。 こう した状況の変化の理由としては、 バターと同様に、 昨年夏以降の原料乳不足の影 響が大きいと考えられる。

チーズは前年比3%増

 一方、 95年のチーズ生産量は、 前年を3%上回る313万6千トンとなり、 92年 以降の安定した伸びを維持した。 昨年夏以降の原料乳不足時にも、 メーカーは、 バターや脱脂粉乳よりも利益率の高いチーズに生産をシフトしたため、 生産量は 着実に増加した。  なお、 種類別にみると、 近年、 生産の伸びをリードしてきたモッツァレラを主 とするイタリアンタイプがほぼ前年並みであったのに対し、 チェダーなどのアメ リカンタイプは4%増となった。

96年はバターも生産増か

 米国農務省は、 96年の生乳生産量を前年比2%から3%増と予想しており、 こ れにともなって、 加工向け生乳も増加すると予想している。  96年は、 チーズ生産量が引き続き増加するものと見込まれているが、 最近の国 内外での需給ひっ迫によるバター価格の値上がりを受けて、 バターの生産量も前 年を上回るのではないかとみられている。
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