台湾の豚肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇

○最近の肉豚需給動向



SG発動以降輸出量が減少

 昨年11月7日の豚肉セーフガード (SG) 発動から、 約4ヶ月経過したが、 11月 から2月末までの台湾からの輸出量は70,574トンで、 それまでの増勢からは一転 して、 前年同期比では5.5%の減少となつた。 (なお、 95年の総輸出量は約27万ト ンで、 前年比16.4%急増であった。 )  また、 同期間の輸出量のチルド及びフローズン別の内訳けは、 それぞれ18,440 トン及び52,134トンであった。 その前年同期比をみると、 チルドが24.3%減であ ったのに対して、 フローズンが3.6%増となっている。  台湾側では、 通年度トリガーによるSGが、 新年度に入ってから発動されること を警戒して、 昨年12月1日から豚肉業界が輸出自主規制 (豚一頭から輸出できる 重量を規制する方式) を実施したが、 このことも全体としての輸出の減少に影響 している。  なお、 この自主規制は、 3月20日まで継続されることになっており、 引き続き、 3月の輸出も抑制的に行われる見込みである。

拭えない供給圧迫要素

 次に、 最近の豚肉生産動向についてみると、 95年第4四半期 (10−12月) の枝 肉生産量は319千トンで、 前年比では3.4%増加している。 (なお、 95年の総枝肉 生産量は1,232千トンで、 前年比では2.3%増であった。 )  なお、 96年に入ってからも、 95年の輸出好調に伴う高価格に刺激されて養豚農 家の生産意欲が高まったため、 上半期のと畜頭数は引き続き増加基調にあり、 前 年比で1%増加すると見込まれている。 また、 95年春からの肉豚価格急騰が引き 金となって開始された米国からの豚肉輸入は、 9月にはピークに達したが、 SG発 動後も量的には減ったものの依然として続いている。  さらに今後の、 国内需要の面では、 政治的緊張関係が高まったことから、 株価 の下落等、 消費支出に暗雲を投げかける要素が広がりつつある。

主要国の4月以降の輸出動向に注目

 こうしたことから、 来る4月には、 現在の輸出自主規制が解除される予定であ ることもあって、 SGが解除されて輸入基準価格が引き下げられた場合には、 輸出 圧力が再び高まることも予想される。 また、 他の主要輸出国であるアメリカ、 デ ンマークにおいても、 その需給・在庫事情等からみて、 依然として輸出意欲は高 いものと考えられることから、 4月以降のこれら主要国の輸出動向にも注目が集 まっている。
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