畜産分野への投資を期待 (インドネシア)



 インドネシア畜産総局長は、 インタビューの中で、 畜産物への需要増加を背景

に、 生体牛輸入や原料乳輸入が、 引き続き増加する見込みであることを明らかに

した。 



 

牛肉・肥育素牛の輸入が増加

 同局長は、 併せて、 農業の中では最も成長か著しい畜産分野に、 外国投資を導 入して一層の開発促進を行うとし、 特に、 日本からの投資を期待すると述べた。 また、95年の牛肉の需給状況については、 需要量の45万トンに対する供給シェア は、 (純) 国内産が78%、 輸入素牛を専用肥育した牛肉が17%、 輸入牛肉が5% を占めているとしている。 なお、 輸入数量は2万2千トンであるが、 94年のほぼ 倍という急増ぶりである。 また、 95年の肥育素牛輸入は約18万頭であったが、 96 年には28万5千頭と、 これも大幅に増加する見込みであるとしている。

酪農振興を図る貿易政策

 酪農に関しては、 78年以来約12万頭の乳牛を豪州などから導入して国内生産の 増加を図ってきたが、 その結果、 この20年間で生乳生産量が10倍に増加した。 95 年の国内生乳需要が約87万トンであるのに対し、 国内生産は31万トンである。 こ の差、 約56万トンが輸入によって賄われたことになる。 インドネシアでは、 生乳 ・乳製品の輸入量 (生乳換算量) に対し、 一定割合の国産生乳を使用することが 義務付けられている。 この国産を抱き合わせた輸入の仕組みをミルクレシオ制度 と称するが、 インドネシア独特の生産者保護措置である。 この比率 (国産品:輸 入品) が今年1月より1:2.9から1:2.4に変更された。 なお、 一定割合 (レシ オ) の見直しは、 毎年1月と7月に開催される3者会議 (畜産総局、 乳業界、 酪 農組合) で決定される。

海外からの投資を期待

 インドネシアの酪農は、 消費地から遠い生産地からの輸送の問題もあり、 国内 生産の大幅な伸びは期待薄である。 しかし、 同総局長は、 インドネシアの畜産物 の生産量が対前年比6.4%増と高い伸びを示していることを指摘しながら、 今後 もこの成長を続けるに必要な投資額の15%は政府が出資するが、 残り85%は内外 の民間投資に頼らざるを得ないとし、 日本からの投資を期待すると述べた。 イン ドネシアは94年6月に外資規制を大幅に緩和しており、 日本からの投資もここ2 年急増している。 畜産関連分野でも飼料・畜舎資材等の輸入関税引き下げなど幾 つかの政策が進行中であり、 かつ賃金水準の低さを考えれば、 養鶏などを中心に 外国投資が増加する可能性がある。
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