豪州の牛乳・乳製品の需給動向


◇絵でみる需給動向◇

○バターの輸出動向 (95/96年度)


● 輸出量はほぼ前年を下回って推移


 豪州の輸出統計によると、 95/96年度 (7月〜6月) のバター (ギーおよびバ ターオイルなどのバター製品を含む、 以下同じ) の輸出量は、 前年度を22%下回 る6万トンとなった。  輸出量を月別にみると、 年度末の5月、 6月を除いて、 ほぼ前年の水準を下回 って推移した (図1)。 年度当初の輸出停滞は、 前年度の輸出水準が高かったこ とから、 国内の在庫が不足していたためである。 その後の停滞については、 95年 末にかけての国際価格の急騰により、 豪州の主要輸出市場であるアジア・北アフ リカ諸国の一部で、 需要が一時減退気味となったことが影響したとみられる。 ま た、 96年に入ってからの不振は、 国際価格が値下がりして再び需要に弾みがつき 始めたものの、 ニュージーランドやEUなどの他の輸出国との競争が激化したため と考えられる。  なお、 輸出金額では、 国際市場の記録的な高値を反映して、 前年度の水準を13 %上回る1億8千万豪ドル (FOB価格、 約144億円) となった。

● 主要輸出先はアジアと北アフリカ


 前年度と同様、 主要輸出相手国は、 アジアおよび北アフリカ諸国であった (図 2)。  タイは、 前年度に引き続き最大の輸出相手国となり、 輸出量は前年度比19%増 の1万2千トンとなった。 また、 3位のフィリピン向け、 5位のインドネシア向 けについても、 輸出量は前年度比で二ケタの伸びを示した (それぞれ13%増の5 千6百トン、 57%増の4千3百トン)。  しかし、 このほかの主要国 (シンガポール、 エジプト、 マレーシア、 台湾など) 向けについては、 輸出量は軒並み大幅に減少した。 このうち、 2位のシンガポー ル向けは前年度比22%減 (6千1百トン)、 また、 4位のエジプト向けは同63% 減 (4千5百トン) となった。
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