NZの牛乳・乳製品の需給動向


◇絵でみる需給動向◇

○乳脂肪製品の輸出動向 (95/96年度)


● 全体では前年度比1%増


 ニュージーランドの輸出統計によると、 95/96貿易年度 (7月〜6月) の乳脂 肪製品輸出量は、 全体で前年度を1%上回る23万8千トンとなった。  内訳をみ ると、 バター (バターオイルなどのバター製品を含む) の輸出量は19万4千トン となり、 前年度を11%上回ったのに対して、 無水バター及びギーの輸出量は4万 4千トンにとどまり、 同27%の減少となった (表)。

● バター輸出量は大幅に増加


 バターについては、 伝統的にイギリスが最大の輸出相手国となっている (図1)。 95/96年度の同国向け輸出量は、 前年度比4%増の6万5千トンとなり、 2年連 続で前年度を上回った。 また、 イギリスに次ぐ輸出相手国であるロシア向けは、 前年度は2割弱の減少を示したものの、 今年度は25%増加して3万トンとなった。  このほかの相手国についても、 バター輸出量は全体的に前年を上回り、 この結 果、 乳脂肪製品輸出量全体に占めるバター輸出量の割合は、 前年度の74%から、 95/96年度には82%へ増加した。  なお、 輸出金額も、 前年度比24%増の7億1千万NZドル (FOB価格、 約500億円) と、 前年度を大きく上回った。

● 無水バター、 ギーは振るわず


 無水バター及びギーの輸出は、 アジア、 中東・北アフリカおよびメキシコ向け が中心となっている (図2)。 輸出量は、 近年順調に増加し、 91/92年度以降は、 ほぼ毎年10%以上の伸びを記録してきたが、 95/96年度には、 一転して大幅な減 少となった。  これは、 首位のエジプト向け (前年度比54%増の6万9千トン) を除き、 主要 国向けの輸出量が軒並み大幅に減少したためである。 この背景には、 一部の輸出 先で、 食生活の変化や流通事情の改善から、 需要の一部がバターにシフトしたこ とのほか、 アジアを軸とする主要輸出市場で、 豪州など他の輸出国との競争が激 化していることがあると考えられる。  なお、 輸出金額は、 国際価格が高値で推移したことから、 1億5千万NZドル (FOB価格、 約105億円) と、 前年度の水準を3%下回るにとどまった。
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