米国の牛肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○フィードロットの最近の飼養動向


● 主要7州の総飼養頭数は増加

 米農務省によると、 97年9月1日時点のフィードロット飼養頭数は、 全米の
8割を占める主要7州 (アリゾナ、 カリフォルニア、 コロラド、 アイオワ、 カン
サス、 ネブラスカ、 テキサス) の合計で、 前年同月比19%増の785万頭とな
った。 フィードロットの飼養頭数は、 昨年11月以来前年同月を上回って推移し
ているが、 高騰していた飼料価格が低下したことに加え、 プライム、 チョイス級
の高品質牛肉に対するレストラン向けおよび輸出向けの需要が増加したことによ
り、 97年6月から9月にかけては、 前年同月を14%から19%上回る水準で
推移している。 


● 導入頭数と出荷頭数も増加

 フィードロットへの導入頭数は、 96年上半期には、 飼料価格高騰の影響で利
益が見込めなくなったことから前年を下回って推移し、 同年6月には107万頭
と93年2月以来の低水準となった。 しかし、 7月以降は飼料価格が低下したこ
とから前年を上回って推移しており、 直近の97年8月には、 前年同期を7%上
回る211万頭となった。 

 一方、 フィードロットからの出荷頭数は、 と畜頭数の増加による牛肉価格の低
迷から、 96年6月以降、 おおむね前年同月を下回って推移していた。 しかし、 
12月以降は、 高品質牛肉への輸出需要が次第に強まったことから、 出荷頭数も
前年同月を上回る傾向に転じ、 97年8月には前年同期を6%上回る176万頭
となった。 


● 肥育牛価格が上昇

 また、 肥育牛の生産者販売価格 (チョイス級 (去勢雄牛) の1,100〜1,
300ポンドのネブラスカの相対取引価格) は、 96年7月から、 出荷頭数減少
の影響によって前年同月を上回る高水準で推移してきた。 その後は出荷頭数が増
加に転じ、 97年8月と9月は前年同月を下回ったものの、 需要の強さを背景に、 
依然として高値で推移している。 ちなみに、 直近の97年9月の販売価格は、 1
00ポンド当たり66ドル30セント (暫定値) であった。 


● 導入頭数の増加に伴い肥育素牛価格も上昇

 肥育素牛価格 (600〜650ポンドのオクラホマシティーの市場価格) は、 
子牛生産頭数が前年を下回ることが見込まれていることや、 フィードロットへの
導入頭数が前年に比べて増加していることに刺激され、 96年11月から前年を
上回って推移している。 直近の97年9月では、100ポンド当たり86ドル(暫
定値) と、 前年同月を38ポイントも上回った。 

 肥育素牛価格は、 95年以来60ドルから70ドルで低迷していたが、 97年
4月以降、 100ポンド当たり80ドルを超えて推移しており、 関係者は、 年内
は素牛価格が前年を上回って好調に推移するものと見込んでいる。 

◇図:肥育素牛価格◇



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