◇絵でみる需給動向◇
96/97年度 (6月〜5月) における各乳業メーカー (酪農協所有の乳業メ ーカー) の支払い乳価が発表された。 ニュージーランドの乳価は、 ニュージーラ ンド・デイリー・ボード (NZDB) の決定する基本乳価に、 各乳業メーカーが、 それぞれの企業実績などに応じた生産者に対する利益還元分 (メーカープレミア ム) を加えて最終的な生産者乳価が決められる。 これまでに発表されたすべての メーカーの乳価は、 前年度を下回っているものの、 史上2番目に高い水準となっ ている。
まず基本乳価についてみると、 96/97年度は、 乳固形分1kg当たり (以 下同じ) 3.18NZドル (1NZドル=約82円) と、 前年度の3.60NZ ドルを42セント下回っている。 NZDBは、 この基本乳価の下げ要因として、 主に、 1)国際市況の下落などによる乳製品の輸出価格の低下、 2)為替がNZドル 高の傾向にあったことを挙げている。 一方、 これに対して、 各乳業メーカーのプレミアムについては、 全社の加重平 均が48.61セントとなり、 昨年度を7.67セント上回って史上最高となっ ている。 NZDBは、 96/97年度においては、 生乳処理量の増加に伴う乳製 品輸出量の増加などにより各メーカーの収益が拡大したことによるものと分析し ている。
92/93年度以来5年間最高乳価を維持しているタトゥア社は、 国内で最も 小規模の部類に属するが、 高付加価値製品を製造していることが、 高い収益性に つながっている。 96/97年度の同社のプレミアムは、 乳固形分換算1kg当 たり59セント (最終的な生産者乳価は3.77NZドル) であった。 第2位の キウィデイリー社は、 前年度を8セント上回る56セント (最終的な生産者乳価 は3.74NZドル) となった。 同社は昨年6月のトウィミルク・プロダクツ社 との合併による生産効率の向上によって、 昨年度の第5位からの躍進となった。 また、 ニュージーランド最大の乳業メーカーであるニュージーランド・デイリー・ グループ (NZDG) は、 前年度を4セント上回る54セント (最終的な生産者 乳価は3.72NZドル) と、 昨年度に引き続いて第3位となった。 乳業メーカー別の乳価 資料:「New Zealand Dairy Exporter」 (注):乳固形分(乳たんぱく質+乳脂肪)換算1s当たりの価格
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