USDA、98年度MAP予算配分額を発表


海外市場での販売促進活動を支援

 米農務省(USDA)は、6月11日、98年度(98年7月〜99年6月)における市場
アクセス計画(MAP)の各機関に対する予算配分額を発表した。

 MAPは、米国の農業生産者、輸出業者、民間企業およびその他の貿易促進機関に
よる米国産農産物の海外市場における販売促進活動を支援するため、USDAが資金
面での援助を行う事業である。具体的には、米国産農産物の商業ベースでの輸出
市場の開拓、維持、拡大を図るための消費者向けの販売促進、市場調査、技術支
援および貿易サービスなどの活動が支援の対象となっている。

 本事業は、85年に創設されて以来、事業名を特定輸出支援計画(TEAP)、市場
販売促進計画(MPP)、そして現在のMAPと変更しつつ、これまで、ほぼ千件にお
よぶ企業、農協、その他の貿易促進機関による海外市場での販売促進活動を支援
してきた。また、対象となる農産物は、乳製品、食肉、家きん肉、卵などの畜産
物のほか、穀物、飼料穀物、果物、野菜、水産物、綿、ピーナッツなど、ほとん
どの食料および繊維製品が対象となっている。

 なお、現在の根拠法の一つである96年農業法では、MPPをMAPに名称変更すると
ともに、予算の上限について、前身のMPPでは1億1千万ドル(約156億円:1ド
ル=141.5円)であったものを、MAPでは 9 千万ドル(約127億円)に引き下げて
いる。


畜産関係団体に対する予算配分額、おおむね増加

 今回発表されたMAPの予算総額は、前年度と同額の9千万ドルであった。これは、
96年農業法で規定された前述の上限額に相当する。今回の予算配分額の発表によ
ると、9千万ドルのうち2百万ドルが留保され、総額8千8百万ドルが、64の機
関に対して配分された。

 このうち、予算配分額が最も多かったのは、前年度に引き続き国際綿協会(CCI)
の約961万ドル(約13億 6 千万円)、次いで米国食肉輸出連合会(USMEF)の922
万ドル(約13億円)などとなっている。

 畜産関係団体の予算配分額をみると、前述のUSMEFが前年度に比べ8.5%増の92
2万ドル、米国家きん肉・卵輸出協会(USPEEC)が38.4%増の317万ドル(約 44 
億5千万円)、米国乳製品輸出協会(USDEC)が5.4%減の178万ドル(約 21億5
千万円)などとなっており、概して予算配分額が増額される結果となった。

 また、98年度の予算では、?タ協同組合および小規模企業によるブランド製品の
販売促進活動を支援の対象としたこと、?チ本事業を申請するに当たって、類似の
事業である海外市場開発計画(FMDP)および新興市場計画(EMP)と併せて申請す
ることを認めたことの 2 つが、新たに導入または改正された点である。


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