EUの牛肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○牛飼養頭数、3年連続で減少


牛飼養頭数、前年同期比1.4%減

 EU統計局によると、99年6月現在のEUにおける牛の総飼養頭数は、前年同期比
1.4%減の8,392万5千頭となった。牛海綿状脳症(BSE)問題が発生した96年をピ
ークに、わずかずつではあるものの3年連続で減少している。

 特に、1歳以下の子牛および1歳を超える雄牛(去勢牛を含む)が、それぞれ同
1.9%減と、全体の飼養頭数を押し下げる要因となっている。1歳以下の子牛の減
少は、主に近年の経産牛頭数の減少の結果とみられるが、これに加えて、BSE問
題の影響による消費減退への生産過剰対策として実施された子牛のと畜奨励事業
(Calf Processing Aid Scheme)も影響したものとみられる。

◇図:牛の総飼養頭数(各年6月現在)◇


肉用経産牛が減少に転じる一方、乳用経産牛は減少幅が縮小

 経産牛の飼養頭数の動向を見ると、95年以来増加を続けていた肉用経産牛は、
昨年来の成牛価格の低迷から5年ぶりに減少に転じた。

 一方、乳用経産牛は、前年同期比0.7%減と依然減少が続いているものの、そ
の減少幅は昨年(1.7%減)に比べて縮小した。多くの国で乳用経産牛が減少し
ている中で、イギリス、イタリア、スペインでは増加した。 

 なお、今後の経産牛の飼養動向には、今年3月のEU首脳会議で合意された共通
農業政策(CAP)改革も少なからず影響を与えるものとみられる。

EU主要国の牛飼養頭数(99年6月)
be-eu06.gif (5791 バイト)
 資料:EU統計局
 注1:数値は暫定値
  2:ベルギーにはルクセンブルグを含む


99年の牛肉生産量、前年比1.0%減の見込み

 肥育向け未経産牛の頭数が増加しているものの、1歳以下の子牛および1歳を
超える雄牛(去勢牛を含む)が減少していることから、EU委員会では、99年の牛
肉生産量は前年比1.0%減になると予測している。なお、2000年前半も引き続き、
牛肉生産は前年水準を下回るものの、後半にイギリスなどを中心に生産が増加す
ることが見込まれ、2000年通年での牛肉生産量は99年並みになるとみている。

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