資料：EU統計局
◇絵でみる需給動向◇
欧州統計局によると、99年上半期（１〜６月）のEU15ヵ国の豚枝肉生産量は、 前年同期比5.8％増の896万５千トンとなり、上半期における生産量では過去最高 を更新した（左図参照）。豚枝肉生産量は、97年下半期以降、４期連続で前年同 期を上回った。 国別に見ると、早期に繁殖雌豚とう汰などの対策を行ったイギリスを除いて、 各国で前年同期に比べ4％前後の増加を示した。中でも、EU最大の豚肉生産国で あるドイツは、98年下半期に引き続き10％以上の突出した伸びを記録し、EU全体 の生産を押し上げている。 99年上半期のEU主要国の豚枝生産量
域内消費の伸びを大幅に上回る生産は、98年から99年初めにかけて記録的な価 格低迷をもたらしたが、その結果、低価格を背景に輸出を増加させる結こととな った。99年上半期の主要6ヵ国の域外向け豚肉輸出量（製品重量ベース）は、前 年同期の2倍以上に当たる49万7千トンに達している（左図参照）。ドイツは、ロ シアの経済状況が完全に回復していないにもかかわらず、同国向け輸出を7倍に 急増させた。記録的な低水準となった豚肉価格とEUの同国向け輸出補助金の増額 （99年9月に他地域と同水準に引き下げられている）により、ロシアの輸入可能 な水準まで輸出価格を引き下げられたことが要因とみられる。また、デンマーク も日本向けや韓国向けに大幅に輸出を増加させている。
EU委員会は、99年８月時点の豚飼養頭数の調査結果（詳細は未公表）を基に、 2000年第2四半期までの需給予測を公表した。これによると、豚と畜頭数は、99 年前半の拡大基調から一転して、第3四半期（7〜9月）に前年同期比1.1％減、第 4四半期（10〜12月）に同3.2％減となると予測されている。99年通年では、2.1 ％増（前回予測2.9％増）の2億181万頭に下方修正された。 ◇図：四半期別と畜頭数の増減率◇
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