◇絵でみる需給動向◇
ニュージーランド政府の輸出統計によると、98/99貿易年度(98年7月〜99年 6月)のチーズの輸出量(カードを除く)は、前年度比2.5%増とわずかながら 増加し22万9千トンを記録した。 同国の輸出量は、年々増加しており、98/99年度の輸出量は、92/93年度(11 万トン)と比較して2倍以上になっている。 ここ数年、輸出量が飛躍的に増加している背景には、日本をはじめとする輸入 国側の需要の高まりが挙げられる。特にアジア諸国では、ピザなどファストフー ドの進出に伴う需要増に対して、ぜい弱な生産力を補うため、チーズの輸入量は 年々増加しつつある。また、国内においては、より高い収益性が確保できるチー ズ生産へ移行するため、工場設備の集約化に伴う生産の増強、新商品の開発など を積極的に進めてきたことも挙げられる。 ここ数年の輸出量は頭打ち傾向であるが、南米をはじめとする新規市場の開拓 を進めるなど、依然として輸出振興に向けて積極的な動きを見せている。今後、 ロシアやアジア諸国の経済が順調な回復を見せれば、輸出数量はさらに増加傾向 で推移するものとみられる。 ◇図:チーズ輸出量の推移◇
輸出相手国別に見ると、ニュージーランド最大の輸出市場であり、チーズ消費 量の増加が続く日本が1位の座を保っている。輸出量全体に占める日本の割合は 昨年同様の23%であるが、輸出量は前年比105.9%の5万4千トンと確実に増加し つつある。特に、フレッシュチーズについては、昨今のナチュラルチーズブーム を反映してか、前年比147.8%の6千トンと大幅に増加した。 ◇図:チーズの国別輸出割合◇ 以下、米国、豪州、イギリス、ベルギーと続き、経済危機に伴い昨年以来急激 な減少を見せていたロシアは、98/99年度も5割近く減少、7千トンとなっている。 そのほか、9位に位置するアルゼンチン向けの大幅な増加(前年比332%)、さら に8位のエジプト(同209%)、10位の韓国(同136%)が注目される。 なお、種類別の輸出では、チェダーチーズ(パウダータイプを除く)の割合が 最も大きく、10万1千トンと全体の41%を占め、前年度と比較して15%の増加を 見せている。これは、好景気に沸く米国向けの輸出が大幅に増加(前年比312%) したことが大きく寄与している。 ◇図:チーズの種類別輸出割合◇
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