タイの鶏肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○99年第1四半期、鶏肉の輸出量は前年並み


調製品は大幅増、冷凍はやや減

 タイブロイラー加工輸出業者協会がまとめた99年第1四半期の鶏肉の輸出は、
冷凍鶏肉の数量が前年同期比3.7%減の4万8,136トン、金額が同13.6%減の33億7
千万バーツ(1バーツ=約3.4円)、鶏肉調製品の数量が同17.3%増の1万2,933ト
ン、金額が同11.0%増の18億1千万バーツ、総合計では数量が同0.1%増の6万1,0
69トン、金額が同6.3%減の51億8千万バーツとなった。

 また、冷凍鶏肉の輸出数量が3.7%減であったのに対し、金額が13.6%減となる
大きな落ち込みは、輸出アイテムに大きな変化が見られなかったことから、大幅
な輸出価格の下落が主因としている。鶏肉調製品についても、冷凍鶏肉ほどでは
ないが同様の傾向が見られる。


日本、シンガポール向け調製品が大幅に増加

 これを地域別に見ると、アジア地域は、冷凍鶏肉が韓国の同99.8%増の952ト
ン、香港の同40.9%増の717トンなどと大幅に増加したものの中国が同17.5%減
の1,714トン、マレーシアが同27.1%減の563トンと大幅に減少した。同地域全体
では同0.3%増の3万4,803トンとほぼ前年並みとなった。また、鶏肉調製品は、
シンガポールがファストフードへの供給が増加したことにより、前年同期に比
べ約27倍の775トン、日本向けが他国と競争できる水準まで輸出価格が引き下げ
られたことなどにより、同14.6%増の7,007トンとなり、同地域全体では同26.9%
増の7,845トンとなった。

 一方、EU地域では、冷凍鶏肉が同6.1%減の1万2,977トンとなった。なお、EU
以外のヨーロッパ地域は、同97.6%減の24トンと大幅な減少であったため、EUを
含めたヨーロッパ全域では、同12.3%減の1万3千トンとなった。また、鶏肉調製
品は、同4.9%増の5,077トンとなり伸び率は鈍化した。

 EU地域向け輸出は、冷凍鶏肉がかなりの減、鶏肉調製品がやや増加したが、そ
の中でイギリス向けは、98年に引き続き99年第1四半期も大幅に増加し、冷凍鶏
肉が同93.4%増、鶏肉調製品が同26.6%増となっている。これは、イギリスのフ
ァストフードの需要増によるものとみられている。


今年の輸出、調製品が増加の見込み

 第1四半期の輸出は上記の通りであったが、99年通年の輸出について同協会では、
冷凍鶏肉が98年実績に対し数量で9.4%減、金額で同18.7%減であるのに対し、鶏
肉調製品は数量で15%増、金額で9%増を見込んでおり、冷凍鶏肉よりも付加価値
を高めた鶏肉調製品が増加するとしている。

99年第1四半期におけるタイの鶏肉輸出状況
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 資料:タイブロイラー加工輸出業者協会調べ
  注:四捨五入の関係で、必ずしも合計と一致しない

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