◇絵でみる需給動向◇
タイ・ブロイラー輸出加工業者協会によれば、2001年1月〜4月の4ヶ月間に おける鶏肉・鶏肉調製品の輸出量は、前年同期比39.9%増の13万1千トン、同輸 出額は46.9%増の111億2,800万バーツ(約311億6千万円:1バーツ=2.8円) に達した。輸出額の伸び率が大きいのは、冷凍鶏肉の輸出価格がトン当たりで平 均2,700米ドル(約33万7,500円:1米ドル=125円)程度に急騰している影響が 大きい。牛海綿状脳症(BSE)や口蹄疫の発生による欧州の赤肉から白肉への振 替需要や、家きんペストの発生による日本の対中国家きん肉輸入停止措置の継続 (7月上旬時点)から、今後も輸出量は増加するとみられる。しかしながら、同 協会が、年間での輸出見込み数量(前年比20%増の40万トン)の修正を行ってい ないことと、経済不振から国内需要が停滞している現状を考え合わせると、今後
農業協同組合省畜産開発局が発表した、今年第1四半期の初生雛生産量は、20 00年第3、第4四半期が1,550〜1,600万羽/週であったのに比べ、これより13 〜23%多い1,800〜1,900万羽/週となっている。供給羽数が増加する中で、好 調な輸出需要に支えられて価格も上昇しており、昨年下半期の1羽当たり5.5バ ーツ(約15.4円)から9.5バーツ(約26.6円)へと7割以上の高値となっている。 また、1週当たりのブロイラー生産量を処理羽数ベースでみると、昨年が平均 1,050万羽であったのに対し、今年はこれまでのところ1,100〜1,200万羽で推移 している。 一方、最大手のチャルン・ポカパン・フーズ社(CPF)が公表した処理羽数の 予測によれば、国内の年間総処理羽数は、8億7千万羽となっており、昨年実績 である8億6千万羽からわずか1.2%の増加にずぎないものとなっている。 これらの数値(初生ひな生産量、1週当たり処理羽数、年間処理羽数)は、必ず しも整合性がとれておらず、需給動向の予測は困難なものとなっている。 以上の通り、生産サイドのデータに必ずしも整合性がないことや、タイ産鶏肉 ・鶏肉調製品の輸出が、特定市場を重視するというよりも、価格オファー次第で 高値に流れる傾向があることから、とりわけ輸出関係の見通しが困難になってい る。
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