米国の鶏肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○伸び率の鈍化が進むブロイラー生産量


1.0%にとどまった上半期の伸び率

 米農務省(USDA)によると、2001年上半期(1〜6月)のブロイラー生産量
(可食処理ベース)は、前年同期比1.0%増の703万トンとなった。4月の生産
量は生体重量の増加や工場稼働日が前年に比べ多かったことから、前年同月を6.
7%上回ったが、2、3月が前年割れとなったことにより、上半期ではわずかな
伸びにとどまる結果となった。

◇図:ブロイラーのと体重◇


2001年通年もわずかな伸びの見込み

 ブロイラー生産量は、消費者の健康志向、外食産業の成長、もも肉を中心とし
た輸出の急激な拡大などを背景に一貫して増加を続けてきた。特に最近では、と
うもろこしなどの穀物価格の低落による生産コストの低下で高収益が確保された
ことなどから、99年には前年比6.7%増とかなりの伸びを記録した。2000年は、
生産コストの上昇による収益の悪化から増産傾向にブレーキがかかったものの、
前年を2.7%上回った。

 今後の見通しについては、ひな導入羽数が前年同期に比べ、わずかながらも増
加していることから、下半期についても小幅な伸びで推移し、2001年通年での生
産量は昨年に比べ0.6%とわずかな増加を見込んでいる。これは、過去数年間で
は最も低い伸び率である。この要因としては、国内市況の低迷をうけ、生産調整
を行った生産加工業者が多かったことがあげられる。2002年は、現在の好調なブ
ロイラー卸売価格と飼料価格の低落が続くと予想されることから前年比3%増、
1,429万トンを見込んでいる。

◇図:ブロイラーの生産量の推移◇


輸出量は増加傾向を継続

 国内生産量が相対的に見て低い伸び率で推移する中で、輸出量は引き続き増加
傾向で推移している。

 4月の輸出量は、前年同月比46%増の25万トンと大幅な伸びとなった。

 2大輸出市場であるロシアおよび香港・中国向け輸出量の増加に加え、中央・
東ヨーロッパ諸国と韓国、台湾といったアジアの国々への輸出が増加傾向をさら
に強まったからである。2001年の輸出は、前年比7%増の268万トンと見込まれ、
増加傾向がさらに続き、2002年は前年比5%増の281万トンと見込まれている。

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