◇絵でみる需給動向◇
豪州酪農庁(ADC)によると、2000年7月から2001年4月までの生乳生産量は、 前年同期比3.5%減の928万6千キロリットルと前年度をやや下回るペースでの生 産が続いている。2000/01年度(7〜6月)の生乳生産は、搾乳シーズンが終盤 を迎え残すところ2ヵ月となっていることからも、前年度の水準を超えるのは厳 しい状況となっている。 ◇図:生乳生産と前年同月比の推移◇
豪州農業資源経済局(ABARE)によると、2000/01年度の生乳生産は、いくつ かの増産を妨げる要因があるとしている。この要因のひとつは、酪農地帯におけ る干ばつである。これにより1頭当たりの生乳生産量が落ち込み、生産量が減少 するとしている。2つ目に挙げているのは、2000年7月からの酪農乳業にかかる 規制撤廃の影響で、これにより飲用向け生乳生産を行っている農家を中心に廃業 者が出たことが、生乳生産量の減少につながっているとしている。3つ目には、 飼料の高値がある。特に乳価の低落により所得が減少した酪農家では飼料購入費 用の増加が経営の圧迫要因となり、飼料の給与を減らしたため乳量が減少したと している。これらに加えて、特に規制撤廃の影響が大きかったニューサウスウェ ールズ州とクインズランド州南部では、肉牛価格の高値により乳牛を出荷する生 産者が多かったため、2000/01年度の乳牛の飼養頭数がわずかに減少すると予測 されていることから、生産減少に結びつく要因になるとしている。
ABAREが6月末に発表した四半期ごとの需給予測では、2000/01年度の生乳生 産(予測値)は、前年度比0.2%増の1,086万6千キロリットルと前年度とほぼ同 水準としている。この予測は、ADCの発表した資料からみて達成が困難と思われ るものであるが、3月末に発表した前回調査と比べると1.5%の下方修正となっ ており、生乳生産における抑制要因が予測に反映されたものと考えられる。 ◇図:生乳生産と1頭当たりの乳量の推移◇
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