◇絵でみる需給動向◇
ニュージーランド・デイリー・ボード(NZDB)によると、2000/01年度(6 〜5月)の生乳生産量は、過去最高であった前年度を7.3%上回る1,232万1千 キロリットルを記録した。生乳生産が好調であった要因は、ニュージーランド (NZ)の主要酪農地帯である北島北部が天候に恵まれ飼養条件が整ったことが挙 げられる。特に、生産量の低迷するシーズン始め(6〜8月)と終わり(3〜5 月)の生産量が、前年同月比で20〜65%増と大幅に増加していることが特徴的で ある。 ◇図:生乳生産量の推移◇
NZの最大手の乳業メーカー(酪農組合)であるNZ・デイリーグループ(NZDG) は、2000/01年度の生産者への支払い乳価(最終乳価)が前年度比33%高の5N Zドル(約260円:乳固形分1キログラム当たりの単価)と過去最高になったと発 表した。輸出を行っているNZDBからNZDGへの支払い乳価(基本乳価)も、4.49N Zドル(約233円)と過去最高を記録しており、これに各乳業メーカーによる利益 還元分(メーカープレミアム)などを加えたものが最終乳価となる。 2000/01年度のNZDBによる乳製品輸出は、好調な生乳生産に伴う乳製品生産量 の増加や為替相場がNZドル安であったこと、アジアやヨーロッパなどを中心とし た海外需要の強まりを背景に増加した。 ◇図:基本乳価と最終乳価の推移◇
NZの大手銀行のNZ・ナショナルバンクは、NZの生乳生産は将来的にも増加傾向 が続くと見込んでいる。2001/02年度の乳製品輸出は、NZドル安の為替環境の下 でNZDBによりすでに契約が行われており、輸出が順調に行われるとみられている。 好調な輸出を背景に2001/02年度の最終乳価は、4.7NZドル(約244円:同)と高 値を予測している。 また、ナショナルバンクは、NZDBとNZの2大酪農組合であるNZDGとキウイの合 併により設立されるグローバル・デイリー・カンパニー(GDC)や豪州乳業界との 業務提携などにも触れ、これらの動きがNZの酪農乳業界に大きな利益をもたらす との見方を示している。
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