アルゼンチン農牧水産食糧庁、今年度の農作物生産見込みを発表


2000/01年度の農作物生産量は前年度比2.3%増の見込み

 アルゼンチン農牧水産食糧庁(SAGPyA)は、2000/01年度(作目ごとに期間
が異なる、作物市場年度のこと。2000年に作付けされた穀物類の2001年の収穫
を表す)の大豆、トウモロコシ、ヒマワリ、ソルガム、落花生、米の生産量合計
を4,875万トン(前年度比2.3%増)と予測している。それぞれの農作物が前年
度の生産実績を下回っている中で、大豆のみが前年度比28%増と大幅に増加した
ため、主要農作物生産量合計を押し上げた。

 アルゼンチンのパンパでは小麦、トウモロコシ、ソルガムなどの穀物、大豆や
ヒマワリなどの油糧種子栽培が盛んで、6月は主要作物のパンパでの収穫が終盤
に向かい、その年の収穫量がほぼ確定する。SAGPyAによると、今年は5月以降の
長雨の影響により一部地域で収穫が遅れているものの、トウモロコシ、ソルガム
の7割、大豆の9割、ヒマワリのすべてが例年通りのペースで収穫されている。


小麦は前年度比4.6%増

 2000/01年度(2000年12月1日〜2001年11月30日)の小麦の生産量は、1,60
0万トンで前年度比4.6%増と予測されている。国内仕向けは小麦粉としてパン、
めん類の原料として利用される。同国は小麦の対日輸出を2国間貿易の課題とし
てきたが、品質上の問題で、輸出は実現していない。


トウモロコシは国際価格低迷などにより減少

 対日貿易では圧倒的な米国に次ぐ地位を保つ。2000/01年度(2001年3月1日
〜2002年2月末日)のトウモロコシの生産量は、1,540万トンで前年度比8%減と
予測されている。今年度の減産予測は、近年のトウモロコシの国際価格低迷と大
豆の収益性向上で生産が大豆にシフトしたことによる。アルゼンチン産は、たん
ぱく質とカロチン含量の多いフリント種が主に栽培されており、単収と作付面積
の増加で収量を伸ばしてきた。遺伝子組み換え品種の作付けはEUで承認されたも
のに限られており、作付面積の数%といわれている。


大豆は収益性向上により大幅増

 2000/01年度(2001年4月1日〜2002年3月31日)の大豆の生産量は、約2,6
00万トン(前年度比28%増)と過去最高の生産量が予測されている。遺伝子組み
換え品種を小麦収穫後の農地に不起耕で作付けする技術が普及し、低コストで収
量増加が可能になったこと、国際相場が上向いていることなどが増収につながっ
た。大豆の大半は搾油産業にまわり、油と大豆かすが生産され日本をはじめ各国
に輸出される。遺伝子組み換え品種の作付けはEUで承認されたものに限られ、作
付面積の約80%といわれている。

アルゼンチンの主要穀物の生産統計

 注)2000/01は予測値。データは農牧水産食糧庁とコンサルタント情報から作成

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