連邦と各州政府、今後の農政基本計画に合意(カナダ)


計画の背景には、農業諸問題への包括的な取り組みの必要性

 バンクリフ連邦農業大臣と各州(準州を含む)政府の農業大臣は6月29日、今
後の農業政策の策定に向けた基本計画について、おおむね合意に達したことを明
らかにした。こうした計画がとりまとめられた背景には、カナダの農業部門が、
食品安全性、環境問題、科学技術の発達に伴う諸課題、自然災害などによる生産
者所得減少への対応、生産者の高齢化など多くの問題に直面しており、同部門の
今後の発展には、政府がこれらの問題に対して包括的に取り組むことが重要との
認識があった。


食品安全性などで世界のリーダーを目指す

 今回の基本計画の中では、農業部門の目標を、カナダが食品安全性、技術革新、
環境保護的な生産手法の分野で世界のリーダーとなることにより、農業および関
連産業の長期的な繁栄を確実なものにするとしている。また、この目標を達成す
るためには、

@ 包括的な政策の枠組みを有しつつ、一貫性と柔軟性を兼ね備えたアプローチ
 を確保すること

A 生産者とその他の利害関係者が、協力して政策を立案すること

B 国際貿易ルールに従うこと

C 市場においてカナダの農産物が有利となる国際基準が設定されるように、カ
 ナダの食品安全性などについてのリーダーシップを行使すること

 などの原則に基づくべきとされている。


農家段階での食品安全性の確保、所得セーフティネットの改善などを検討

 基本計画の具体的な優先事項については、農家段階での食品安全性の確保が第
一に挙げられている。これにはカナダ食品検査局(CFIA)が主体的に関与し、H
ACCPに基づく農家食品安全性プログラム(OFFSP)や食品の流通におけるトレー
サビリティを確保するシステムの導入を検討することが合意された。

 また、自然災害その他予期せぬ事態による所得の低下に対処するためのセーフ
ティネットの重要性についても、連邦と各州大臣間の認識が一致し、2002年中に
現行のセーフティネットおよび災害支援プログラム改善の検討を終了することと
した。

 このほか、今後の検討課題として、

@ 高齢化により多くの生産者が引退すると予測されるため、新規就農を希望す
 る人々に対し、より良い準備が可能となるような方策を提供すること

A 環境対策の目標・予定および実施方法などを定めること

B 農業の研究開発の強化および消費者の新技術への信頼性向上を図ること
 などが挙げられている。


計画には賛否両論、課題を踏まえた具体化の作業に注目

 カナダ最大の生産者団体であるカナダ農業連盟は、今回の合意内容を支持する
声明を発表した。同連盟は、今後、詳細の詰めに多くの作業が残されているもの
の、基本計画は、農業の経済的、社会的および環境的な継続につながるカギとな
るとの見方を示した。一方、家族経営の生産者から構成されるナショナル・ファ
ーマーズ・ユニオンは、現在、経済的な苦境に陥っている生産者に必要なことは、
生産者の利益を奪っている高い生産コストを引き下げることであり、基本計画は、
それを提供するものではないと批判した。こうした賛否両論の中、計画の具体策
がどのようになるのか、今後の作業に注目したい。

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