米国の牛肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○高価格などで減少が見込まれる牛肉輸出


飼養頭数は減少傾向

 米農務省(USDA)によれば、本年7月1日現在の牛の総飼養頭数は、前年比0.
5%減の1億580万頭となっている。肉牛飼養頭数は90年代半ばをピークと
したキャトルサイクルの減少局面にあり、頭数は引き続き減少している。また、
米国内の南西部や大平原地域などの複数地域にわたる干ばつが、フィードロット
の導入頭数にも影響を与えている。干ばつにより出荷を余儀なくされたことから、
フィードロットの導入頭数(主要7州)は5月から7月には前年同月比3〜20
%増加した。8、9月は干ばつの影響から脱したため、それぞれ同10%減、同
21%減となり、フィードロットの飼養頭数(主要7州)は、10月には同1.
0%増と昨年ベースに近づきつつある。

◇図:総飼養頭数の推移◇


肥育素牛価格などはいずれも前年を上回って推移

 堅調な需給を反映して、肥育素牛、肥育牛、牛肉卸売、牛肉小売のいずれの価
格も、おおむね前年を上回って推移している。

 肥育素牛価格(オクラホマシテイ市場、去勢)は1〜9月の単純平均で前年同
期比3.1%高、肥育牛価格は同8.9%高(ネブラスカ州、去勢)、牛肉卸売
価格は同7.6%高(チョイス級、枝肉550〜700ポンド)、牛肉小売価格
は同11.0%高とそれぞれ前年を上回っている。なお、10月の肉牛卸売価格
は、8、9月の前年同月比が8〜9%高であったのに対して少し落ち着きを示し、
約4%高となっている。


牛肉輸出は減少傾向

 このため、牛肉の輸出量については、国内需給がひっ迫してきていることや高
価格水準であることに加え、最近におけるドル高などから、減少傾向となってい
る。第1四半期で見ると前年同期比12%減(昨年のロシアへの食糧援助分を除
く。)となっており、さらに第2四半期では前年同期比16%の減少となってい
る。

 特に日本、韓国向け輸出価格は、前年と比べ米ドルが両国の通貨に対し10〜
15%上昇していることにより輸出価格を押し上げている。また、対豪ドルに対
して強含み傾向であることも輸出の減少要因となっている。

 韓国向けは、同国の経済の低迷もあり、本年1〜8月で前年同期比40%減と
なっている。


今後の需要には不安材料も

 これまでは、米国内の需給ひっ迫により価格は堅調に推移してきたが、同時多
発テロを契機として米国経済に若干ながら陰りが見えだしたことにより、米国内
の需要が減少する懸念がある。さらに、日本経済の低迷に加え、9月に発生した
日本のBSE問題による牛肉需要の低下で、米国産牛肉の輸出にも大きく影響が生
まれていることから、今後の輸出はさらに減少すると見込まれている。USDAは、
本年下半期の輸出を前年同期比7%減と見込んでいる。

◇図:米国の国別牛肉輸出量◇

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