米国の鶏肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○ブロイラーの価格動向


卸売価格は好調に推移

 米農務省(USDA)が公表する全国12都市の丸どり平均卸売価格は、20
01年1月以降、一貫して前年同月を上回って推移している。特に7月に99年
6月以来の60セント台に回復した後は、4ヵ月連続して60セント台で推移し
ており、10月は、前年同月比7.5%高の61.5セント/ポンド(約167
円/kg:1ドル=123円)となった。この背景には、ロシア向けを中心とした
好調な輸出需要があると見られる。

 品目別でみると、主要な輸出品目であるもも肉は、好調な輸出需要を反映して、
前年同月をかなり大きく上回る水準で推移している。10月のもも肉の卸売価格
(ホール、北東部)は、前年同月比23.0%高の47.9セント/ポンド(約
130円/kg)となった。

 一方、主として国内向けに供給されるむね肉も、ブロイラー生産の伸びが鈍化
したことなどから、堅調に推移しており、10月の卸売価格は前年同月比6.1
%高の137.8セント/ポンド(約374円/kg)となった。

◇図:ブロイラー卸売価格◇


ロシア向け輸出がほぼ倍増

 このように価格が堅調に推移する要因としての輸出動向について見ると、8月
の輸出量は前年同月比4.2%増の23万7千トン、1〜8月では前年同期比1
4.8%増の188万9千トンとなった。ロシアへの輸出は引き続き増加傾向に
あり、前年同期比91.5%増とほぼ倍増の68万3千トンとなり、その他メキ
シコ、グアテマラ、ジャマイカなどの地域への輸出も増加した一方で、アジア市
場向け輸出量は総じて減少した。

◇図:鶏肉輸出量の推移◇


2001年平均では約5%高の見込み

 USDAによると、2001年平均のブロイラー(丸どり)卸売価格は、前年
比5.0%高の59セント/ポンド(約130円/kg)と見込まれている。

 こうした価格の堅調さに加えて、飼料価格も引き続き低下傾向にあることから、
養鶏業者がひなふ化羽数を増やしており、主要生産地15州における10月の週
ごとのひなふ化羽数は前年同期に比べ、平均して3.8%の増加となっている。
これらのひなが処理されるのは11月下旬以降とみられることから、第4四半期
の生産量は前年同期比2.7%増の見込みとなっている。生産量の増加は、平均
と体重がほぼ前年同期並みであることから羽数の増加によるところが大きい。2
001年通年での生産量は前年同期比1.7%増と見込まれている。

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