EUの豚肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○下降局面と予測される豚肉価格



2001年の豚肉生産は若干の減少見通し

 相次ぐ動物疾病の発生など、EUの養豚環境は厳しさを増しつつあるが、200
1年の豚肉生産は、ほぼ前年並みを維持することが見込まれている。フランスの
調査機関が発表した2001年の豚肉生産見通しによると、EU15ヵ国全体では
前年を0.2%下回る2億388万トンの生産が予測されている。2001年の
豚肉生産は、牛海綿状脳症(BSE)問題の再燃などを受け、当初、好調に推移す
るとの見方が大勢であったが、2001年2月にイギリスで発生した口蹄疫の拡
大による生産への影響が懸念されてきた。しかし、主要豚肉生産国であるデンマ
ーク、スペインの生産の強化や、口蹄疫発生の影響が最小限にとどまったフラン
スの回復などにより、その影響は最小限にとどまるものとみられている。

EUの豚肉生産見通し

 資料:OFIVAL, EUROSTAT
 注1:2000年は暫定値、2001年は推定値
 注2:ベルギーにはルクセンブルクを含む


豚枝肉価格、対前年同月比で28ヵ月連続のプラスに

 このような中、EUの豚肉価格は引き続き堅調な推移を見せている。2001年
10月の豚枝肉価格(EU平均:市場参考価格)は100kg当たり155.8ユー
ロ(約1万7,100円:1ユーロ=110円)と前年同月比6.3%高となり、
99年7月以降28ヵ月連続(2001年10月時点)して前年同月比を上回っ
ている。これは、98年末から99年初旬にかけての記録的な価格低迷が要因と
してあるものの、94年8月から97年1月にかけて記録した30ヵ月連続に次
ぐ記録となっている。しかし一方では、このように高水準で豚肉価格が推移する
ことは、結果的に域内の豚肉消費を冷え込ませる要因になるとの見方も出てきて
いる。

◇図:豚枝肉価格の増減率(対前年同月日:EU平均)◇


今後の価格は下降局面と予測

 EU最大の豚肉輸出国であるデンマークの輸出業者は、高価格で推移する豚肉へ
の消費者離れに加え、域内の生産が好調であることから、豚肉価格の下げは避け
られないとし、現在の価格は2002年初めまでに100kg当たり145ユーロ
(約1万5,900円)程度まで下降するとみている。また、フランスの調査機
関も、オランダやデンマークの域内輸出が増加する反面、域内消費の伸びが低調
であることから、価格は下げに転じると予測している。10月に入りEUの豚枝肉
平均価格は、週平均で5%近い低下を見せており、主要生産国における豚肉価格
に対する予測がほぼ一致する中で、豚肉価格は下降局面を迎えたとみられる。

◇図:豚枝肉価格の推移(主要生産国)◇

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