EU委員会、2002年の家畜伝染病対策に関する予算を採択


2つの計画を柱に対策を実施

 EU委員会は10月16日、2002年における伝達性海綿状脳症(TSE)やその他の家
畜伝染病対策に関する予算を採択した。今回採択された予算総額は1億5,500万
ユーロ(約173億円:1ユーロ=112円)となり、予算総額の約7割強をTSEのモ
ニタリング検査として、残りの約2割強をブルセラ病やサルモネラレラ感染症な
ど主要家畜伝染病の撲滅対策に充てることとしている。EUではこの2つの計画を
柱に、2002年の家畜伝染病撲滅に向けた対策を実施することになる。計画の具体
的内容については次のとおりである。


EUのBSE検査頭数、TSEモニタリング検査で
2002年度は7〜8百万頭を予定

 EUでは、牛海綿状脳症(BSE)について、2001年1月から30ヵ月齢を超える食
用向けの牛を対象に全頭検査が実施されており、農場で死亡した牛などについて
も抽出検査の対象となっている。また、7月からは検査対象が拡大され、24ヵ月
齢を超える牛のうち、農場で死亡した牛、緊急と畜した牛およびと畜場で食用に
不適と判断された牛についても全頭検査が義務付けられた。ただし、BSEの危険
性の低い国(オーストリア、フィンランド、スウェーデン)については、30ヵ月
齢を超える健康な牛の検査は抽出検査で行われている。このため、2002年のBSE
検査頭数の合計は、最終的に7〜8百万頭に上るとみられている。さらに、20
02年1月からは、18ヵ月齢を超える健康なめん羊・ヤギおよび農場で死亡した
めん羊・ヤギを対象とした抽出検査が導入される予定である。

 EU委員会は、このような状況に基づき、加盟国から提出された2002年の検査計
画について、各国の疫学的な状況および当該家畜の飼養頭数を考慮した上で、予
算配分を決定している。これによると、BSEおよびスクレイピーのモニタリング
ついては、EUから最大1億1,400万ユーロ(約128億円)が拠出され、検査キッ
トの購入費に充てられる見込みである。加盟国別の予算配分は次のとおり。




主要13家畜伝染病対策を総計50国(地域)で実施

 EU委員会は、2002年におけるBSE以外の主要13家畜伝染病に対する総計50国
(地域)での撲滅およびモニタリング計画を採択した。これらの計画に対し、各
国での対策費用としてEUから4,045万ユーロ(約45億円)が拠出される見込みで
ある。対象となる家畜伝染病は、@公衆衛生および家畜衛生の双方に関連を持つ、
または、A畜産業に重大な損失を及ぼし、結果的にEU内外の貿易障壁となるもの
である。具体的には、スクレイピー、ブルセラ病、牛の結核病、狂犬病、豚コレ
ラ、家きんのサルモネラ感染症などが2002年の撲滅計画の主要ターゲットになっ
ている。

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