ブラジル産牛肉輸出拡大に向けた動き


「ブラジリアンビーフ」を通じて需要拡大

 ブラジル農務省は8月2日、主要な牛肉輸出先である欧州市場の拡大を図るた
め、ブラジル産牛肉販売促進計画を開始すると発表した。これは、業界団体など
と連携を図りながら、ブラジリアンビーフという商標を通じて、牧草肥育を主体
としたブラジル産牛肉の特色を消費者に訴え、需要を拡大しようとするものであ
る。

 同計画の活動内容として、

@畜産関係者やオピニオンリーダーなど約100名をブラジルに招き、主要牛肉生
 産地域への視察を行う、

A欧州のマスメディアを通じてブラジル産牛肉を宣伝する、

B国際食品展等への業界団体の積極的参加を促すこと、などが挙げられている。


欧州市場をターゲットに有機牛生産への取り組み

 また、同国では、欧州市場を中心に輸出拡大や収益性向上などを図るため、有
機牛肉生産への取り組みも見られる。

 そのひとつに農務省が8月初めに資金の拠出を発表したパンタナル有機子牛計
画がある。これは、同国中西部のマットグロッソ州およびマットグロッソドスル
州に位置する広大な低湿地帯であるパンタナルにおいて、8〜12ヵ月齢の有機子
牛肉生産を奨励し、欧州市場を中心に国内外の市場へ生産物を販売するものであ
る。同計画は、パンタナルの環境保全に配慮しつつ、生産物の高付加価値化・差
別化により地域経済の活性化を図る取り組みとして注目されている。同省は、パ
ンタナルの環境保全や経済活動プロジェクトを推進するパンタナルパーク協会
(IPP)が実施するこの計画に対し、同省およびマットグロッソドスル州政府が
計26万8千レアル(約1,206万円:1レアル=約45円)を拠出するとし、政府の
支援態勢を明らかにした。IPPでは、同計画における年間の有機子牛肉生産量を
約1万5千トン(枝肉換算ベース)と推定している。

 また、ブラジルの大手牛肉輸出業者であるインデペンデンシア社は、欧州市場
をターゲットとした有機戦略として、マットグロッソドスル州の2牧場において
2年前より有機牛の飼育に着手し、今年初めて120頭をと畜したと発表した。同
社によると、有機牛肉製品は、従来製品よりも最大で2割高い輸出価格での取引
が可能であるという。現在、同社は、約7千頭の有機牛を飼養しているが、これ
を2002年中には約1万8千頭へ拡大したいとしている。


1〜8月の輸出量は前年同期比25.4%増

 ブラジルの大手調査会社によると、2001年1〜8月の牛肉輸出量(冷蔵肉、
冷凍肉、および加工肉の枝肉換算値の合計)は前年同期比25.4%増の47万8千
トン、牛肉輸出額(FOBベース)は16.6%増の6億9百万ドル(約736億9千万
円:1ドル=約121円)となった。今年5月にリオグランデドスル州で口蹄疫が
再発したものの、ブラジルの牛肉輸出が好調さを継続している背景には、欧州
における牛海綿状脳症(BSE)および口蹄疫問題、自国通貨レアルが安値で推移
する為替動向、同国の口蹄疫ワクチン接種清浄地域の拡大などがある。

 ブラジル政府や牛肉業界は、2001年の牛肉輸出額を10億ドル(約1,210億円)
と見込み、2002年の同目標値を12億ドル(約1,452億円)としているが、ブラジ
ル産牛肉販売促進活動や有機牛肉生産への取り組みが思惑通りの成果を挙げら
れるか、今後のブラジル産牛肉輸出の展開が注目される。

元のページに戻る