◇絵でみる需給動向◇
米農務省(USDA)が2000年12月に公表した世界の穀物生産予測によると、20 00/01年度のアルゼンチンのトウモロコシ生産量は、1,550万トン(前年同期比 7.2%減)で、世界生産量の2.6%を占める。またトウモロコシ輸出量は950万トン (同7.2%増)で生産量の約6割を占めており、米国に次ぐ輸出量(世界貿易量の 13.1%)である。輸出先は、ブラジルをはじめとする南米諸国のほか、エジプト、 スペイン、日本など広範である。 アルゼンチン農牧水産食糧庁(SAGPyA)によると、2000/01年度のトウモロ コシ作付面積は322万8,180ヘクタール(前年同期比11.0%減)が見込まれており、 2001年1月5日現在の進捗率は93%となっている。なお、遺伝子組み換え(GM) トウモロコシの作付面積比率は6〜15%程度とみられている。 ◇図:アルゼンチンのトウモロコシ生産量および輸出量◇ ◇図:アルゼンチンのトウモロコシ輸出先別比率◇
USDAが2000年12月に公表した世界の大豆生産予測によると、2000/01年度の アルゼンチンの大豆生産量は、2,350万トン(前年同期比13.5%増)と近年の増加 傾向を維持している。また大豆輸出量についても470万トン(同13.8%増)と引 き続き増加しており、米国、ブラジルに次ぐ輸出量(世界貿易量の10.1%)であ る。輸出先は、中国のほかタイやオランダである。 SAGPyAによると、2000/01年度の大豆作付面積は1,008万850ヘクタール(前年 同期比15.4%増)と見込まれており、2001年1月5日現在の進捗率は93%となって いる。なお、GM大豆の作付面積比率は80〜95%程度とみられている。 ◇図:アルゼンチンの大豆の生産量および輸出量◇ ◇図:アルゼンチンの大豆輸出先別比率◇
2000年12月のUSDAの公表によると、2000年12月に決定したEUにおけるBSE対 策(2001年1月から6ヵ月間、肉骨粉の飼料利用禁止措置)の影響について、明ら かではないと前置きした上で、2000/01年度の南米における大豆作付けを刺激す るかもしれないと予測している。 南米における大豆主産国であるブラジルでは、10月に作付けがピークとなり12 月中に実質的に終了する。またアルゼンチンでは、ブラジルより通常2、3週間時 期が遅れ、その後2期作目の作付けが1月中まで続く。このため、これらの生産者 にとって、EUの措置に対応して大豆作付けを調整できる時期は短期間に限定され る。ただしブラジルやアルゼンチンの多くの生産者は、協同組合や企業との契約 に基づいて大豆作付けを行っており、大豆の市況に精通した協同組合や企業が大 豆作付けの決定に大きな影響力を持っていることから、作付時の市況に機敏に対 応し得る状況にあるとみられている。
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