◇絵でみる需給動向◇
ニュージーランド農林省(MAF)が発表した農畜産物の短中期需給見通しによ ると、2000/01年度(7月〜6月)から2003/04年度までの乳製品生産は、各年度 とも、増加率は低いもののすべての品目で増加すると予測されている。この中で、 99/2000年度と比較して2003/04年度までの4年間で最も大きな増加率が予測さ れたのが脱脂粉乳で33.1%増の30万2千トン、ついで全粉乳が19.1%増の44万4千 トン、バターは18.4%増の41万5千トン、最も低い増加率となったチーズが13.4 %増の30万1千トンとなっている。 ◇図:乳製品生産量の推移◇
2003/04年度までの粉乳の増産予測の要因としては、海外市場での強い需要が 維持されることにより国際価格が引き続き高値で推移するとの予測がされている ことが挙げられる。粉乳の輸出価格(FOB価格)の上昇予測を反映し、粉乳生産 も一貫して上昇するものと予測されている。一方、バター生産については、FOB 価格は回復しつつあるものの依然として低迷状態が続くとの予測から、その増加 は、粉乳需要に伴う生産増加であるとみられる。また、チーズFOB価格について も伸び悩みが予測されており、生産量の増加率が最も低く予測されるなど、乳製 品FOB価格予測が生産予測に大きく影響している。 ◇図:乳製品FOB価格の推移◇
このようにすべての乳製品で増産が予測されている中、ニュージーランド・デ イリーボード(NZDB)では、オーガニック食品などの高付加価値乳製品市場に 注目している。米国やヨーロッパ、日本などを中心に、関心が高まっている新し い市場への参入を目指す動きである。オーガニック食品の認証制度の確立など課 題は多い。しかしながら、将来、NZの酪農乳業が海外市場で成功を収めるには、 新しい分野での市場拡大が必要との認識がされている。今後のNZ酪農乳業界の 販売戦略が注目される。
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