世界の飼料穀物の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○カナダの2000/01年度穀物、油糧種子生産は減少の見込み


2000/01年度の生産量は前年比7.1%減

 カナダ農業・農産食料省(AAFC)が2001年1月に発表した穀物および油糧種子
の生産予測によると、2000/01年度(8〜7月、トウモロコシおよび大豆は10〜
9月)のカナダの穀物および油糧種子生産量は6,165万トン(前年比7.1%減)と
前年度を下回った。内訳を見ると、小麦はほぼ前年並み(同0.4%減)、粗粒穀
物はトウモロコシが大幅に減少したことなどから前年比9.3%減、油糧種子は前
年比16.5%減となった。01/02年度の穀物および油糧種子の生産量は、6,515万ト
ン(同5.7%増)と99/2000年度には及ばないものの前年を上回ると予測してい
る。


主な飼料作物は大麦、トウモロコシ、小麦

 99/2000年度のカナダにおける穀物および油糧種子消費量(3,741万トン)の
用途別内訳を見ると、食料・工業向けが27%、飼料等向けが67%、残りが種子等
向けとなっている。

  飼料等向けの内訳を見ると、大麦が38%、トウモロコシが29%、小麦(デュラ
ム小麦を除く、以下同じ)が17%と飼料等向け全体の84%を占めている。これら
の作物の貿易および消費動向を見ると、小麦は生産量の65%を輸出しており、ま
た国内消費のうち飼料等向け割合(53%)は従来から高い。大麦は輸出割合が18
%で、国内消費のうち飼料等向けは93%を占めている。トウモロコシは消費量の
不足を輸入しており、国内消費のうち飼料等向けは78%である。

◇図:飼料等向け穀物および油糧種子消費量の内訳(99/2000年度)◇


主な飼料作物の生産等の見込み

  大麦について見ると、2000/01年度の生産量は、作付面積が増加したものの単
収が前年を下回ったため前年比2.1%増にとどまるとみられる。消費量は、西部
カナダでトウモロコシの消費量が少ないこと、今年末に向けて家畜頭数が増加す
ることから、飼料向けは引き続き増加するとみられる。また輸出量は、飼料用、
麦芽用ともに増加すると見込まれている。01/02年度の生産量は1,495万トン
(同11.0%増)と引き続き増加すると予測している。

  トウモロコシについて見ると、近年の生産量は飼料需要の増加などを背景とし
て着実に増加してきた。これは、高収量や害虫耐性の品種の作付け増加によると
ころが大きく、例えば2000/01年度の遺伝子組み換え(GM)トウモロコシの作
付面積は全体の27%となっている。2000/01年度の生産量は、降水量が多く、主
生産地であるオンタリオ州やケベック州で減少したため、記録的豊作となった99
/2000年度を大きく下回る(同25.5%減)ものとみられる。このため、2000/01
年度の輸入量は大幅に増加するとみられる。01/02年度の生産量は、886万トン
(同29.8%増)と大幅に回復すると予測している。

  小麦についてみると、2000/01年度の生産量は、作付面積、単収とも前年を下
回ったことから2,116万トン(同6.4%減)と減少するとみられる。01/02年度の
生産量は、2,127万トン(同0.5%増)とほぼ前年並みであると予測している。

カナダの穀物および油糧種子の需給状況
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 資料:AAFC
 注1:2000/2001および2001/2002年度は予測値
  2:年度は8−7月(トウモロコシ、大豆は10−9月)
  3:輸入量は製品を除く
  4:輸出量について小麦、エン麦、大麦、ライ麦は製品を含み、
    油糧種子は製品を除く
  5:国内消費量は種子利用を含む

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