豪州の牛肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○2000年の生体牛輸出額、過去最高を記録


1頭当たりの輸出価格上昇が輸出額を押し上げる

 豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)によると、2000年の生体牛輸出額は前年比
15%増の4億7,900万豪ドル(速報値)(約313億2,700万円:1豪ドル=65.4円)と
輸出額、輸出頭数ともに過去最高であった97年の記録を更新した。2000年の輸出
頭数を見ると、89万5千頭(速報値)と97年を6%下回ったものの前年比ではわず
かに増加し、97年に次ぐ記録となった。

 輸出額が過去最高となった背景には、国内・輸出向け共に総じて高かった2000
年の肉牛価格を反映し、生体牛1頭当たりの平均輸出価格が前年比9%増の535豪
ドル(約34,989円)と大きく上昇したことがある。このため豪ドルベースの輸出
額は、輸出頭数の上昇率を上回るものとなった。

◇図:生体牛1頭当たりの価格の推移◇


為替相場と輸出先の経済動向がカギ

 肉牛価格の高騰にもかかわらず、2000年の生体牛輸出が好調であった要因とし
ては、為替相場が豪ドル安で推移したことや生体牛の主な輸出先である東南アジ
ア経済が、生体牛輸出不振の原因であった98年の通貨危機から回復したこと、原
油価格の高騰により経済状況の好調な中東諸国からの需要が増加したことが挙げ
られる。しかしその一方で、最大の市場であるフィリピンとの貿易論争やそれに
次ぐ市場であったリビアへの輸出停止が99年11月以降続くなど不安要素も抱えて
いたことから、大幅な記録更新とはならなかった。

生産者が新たな市場獲得の動き

 このような中、豪州では生体牛のさらなる輸出市場拡大を目指し、クインズラ
ンド(QLD)州の生体牛輸出業者がベトナムへの輸出契約を結ぶ動きが報道され
ている。この契約は、QLD州の生産者とベトナムのアメリカ資本の企業により交
渉が行われているもので、1年間にわたる交渉の末、今後5年間について年間1万
5千頭の輸出契約が実現する可能性が高まっている。QLD州政府ではこの契約交
渉に関し、専門家を派遣するなどの協力の姿勢を示しており、これが実現すれば
今年末には船積みが開始されるとみられ、新たな市場獲得の今後の動向が注目さ
れる。

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