企画情報部
純粋な南陽牛の種雄牛(体重約1トン)。 外国種と比べると、体の幅がやや薄い。 通常のものは5歳齢の雄で600kg、雌で 380kg程度であるため、79年からシャロ レーやシンメンタール、リムジンなど外 国種との交配や効率的な肥育技術の導入 などにより、大型化と産肉性の向上が図 られている |
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村営の集団肥育場。南陽牛と外国種の 交雑種が300頭ほど飼養されている。南 陽市には肉牛が飼養される村が2千以上 もあり、集団肥育場などを除けば、1戸 当たりの平均飼養頭数は2〜3頭程度であ る。農家収入の約3分の1は、牛の飼養に よる。 |
牛ごとに付けられているタグ。性別、 年齢、搬入時の日付や体重などが記され ている。中国にはヤクや水牛を含め、50 近くの系統の在来牛が存在するといわれ る。銘柄牛としては南陽牛、魯西黄牛、 晋南牛および秦川牛の4系統が名高いが、 これらは品種として確立される過渡期に あり、現時点では「系統」または「銘柄」 ととらえるのが妥当とされる。 |
ひとくちメモ 中国では最近の経済成長に伴い、主要な食肉である豚肉に代わり、牛肉の消費 量が徐々に増加してきているといわれる。今回紹介する河南省は中国最大の牛の 生産省で、その飼養頭数は約1千3百万頭と、全国の1割強を占める。同省では、 牛は役畜として重要な役割を果たしてきたが、80年代中葉から肉用と乳用の概念 も生まれ、飼養頭数が政策的に増やされた。90年代以降は、牛肉を市場流通させ ることを目的に、と畜・加工場の整備も進んでいる。ただし、中国では肉用種の 概念が不完全で、肉専用種などの確立は、これからの課題である。なお、河南省 で飼養されている牛の8〜9割は、「南陽牛」という銘柄牛である。
トウモロコシ、フスマ、綿実かすによ る配合飼料の給与風景。粗飼料と配合飼 料を1日2回給与する。 |
麦わらとクローバーを混ぜた粗飼料。 河南省は小麦の生産量が多いため、麦わ らが粗飼料として多用されるが、たんぱ く同化を促進する目的で、尿素などの添 加が盛んに行われている。 |
村営の家畜市場。湖北省からの買参者 もいる。この日は雨のために休市となっ ていたが、12月の農閑期には、ほぼ毎日 市が立つ。集荷頭数は多い日で1千頭程 度であり、すべて相対取引による。取引 される牛の体重は350kg前後で、この 350kgという体重が、農家が肥育素牛と して出荷する目安となっているようであ る。 |
南陽市肉類企業集団から出荷される牛 肉で、これはロシア向けのもの。ここに ある「低温冷蔵」とは、フローズンのこ とである。 |
「低温冷蔵」の牛肉。冷凍牛肉だが、 肉質は割合良いようである。 |
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