◇絵でみる需給動向◇
ニュージーランド・デイリーボードによると、2000/01年度上半期(2000年6 月〜2000年11月)の生乳生産量は、前年同期比7.4%増の603万7千リットルと、 前年度に引き続き過去最高記録を更新した。増産の要因としては、シーズン当初 から比較的天候に恵まれたことと国際市況が好調であるため、酪農協が乳製品工 場を新設するなど生産体制の増強を行ったことなどが挙げられる。 ◇図:上半期生乳生産量の推移◇
2000/01年度上半期の主要乳製品の生産は、好調な生乳生産を背景にチーズを 除く品目で前年同期を上回り、バターと脱脂粉乳生産においては過去最高を記録 した。前年同期と比べて最も大きな増加率となったのが、バターで8.4%増の18 万7,900トン、次いで全粉乳が5.3%増の17万6,900トン、脱脂粉乳が4.5%増の12 万5,600トンとなったが、チーズは前年同期を下回り0.3%減の12万2,800トンとな った。その要因としては、東南アジアを中心とした粉乳需要の強まりを受ける形 で粉乳の生産が増加したこと、脱脂粉乳生産の増加とともにバター生産も大幅に 増加したこと、その一方で、チーズ生産は、海外からの需要はあるにもかかわら ず、粉乳需要が強いことから生乳の仕向け先が粉乳にシフトしたため、若干減少 したと考えられる。 ◇図:上半期の乳製品生産量の推移◇
このように2000年11月までの生乳生産は好調であったが、夏場(1月〜2月) に入ってからは例年よりも気温が高く、さらに降雨量も少ないことから生乳生産 が減少しているとの報道がされている。NZ生乳生産の8割近くを占める北島では、 生乳生産量が前年の同時期と比べて3.8%減少しており、特に北島中部の沿岸地 域では前年度比9.0%減と大幅に減少している。北島の農家では、雨が降ること に望みをかけているが、2月いっぱいは搾乳シーズンであるため、乾燥状態がこ のまま続けば2000/01年度の生乳生産に大きな影響を及ぼすことも考えられ、今 後の生産動向が懸念される。
元のページに戻る